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» 2016年03月17日 06時00分 公開

ファインダーもライブビューも キヤノン「EOS 80D」はすべてが快適 (2/3)

[永山昌克,ITmedia]

45点AFやミラー振動制御システムを新搭載

 実際の撮影では、ストレスなく素早く作動するAFと、従来より静音化と低振動化を図った心地よいシャッターフィーリングに好印象を受けた。

 AF測距点は、EOS 70Dの19点からEOS 80Dでは45点へと大幅に増加。全測距点でF5.6光束対応のクロス測距ができ、最大27点でF8光束対応の測距もできる。また、中央の低輝度限界性能がEV-0.5からEV-3へと向上したことで、薄暗いシーンでも確実にピントが合うケースが増えている。

 測距エリア選択モードは、1点AF、ゾーンAF、ラージゾーンAF、45点自動選択AFの4モードを用意。さらに、カスタムメニューから測距点の乗り移り特性を設定可能になったことや、肌色を検知して人物に優先的にピントが合う「色検知AF」に対応したこともAFの使い勝手を高める進化といえる。

 内部のメカに関しては、上位モデル「EOS 5Ds」や「EOS 7D Mark II」に続いて、ミラー振動制御システムを搭載したことに注目したい。これは小型のモーターとギア、カムの組み合わせによって、メインミラーとサブミラーを直接駆動する仕組みだ。バネ力によってミラーを駆動していたEOS 70Dとは異なり、モーターの高精度な加減速制御が可能になったほか、ミラーの衝突前にブレーキをかけることで衝撃を抑えているという。

 試用では新旧2台を使い比べたが、レリーズ時の音と振動が低減されたことをはっきりと体感できた。

 連写性能も向上した。最高で約7コマ/秒というスピード自体は同じだが、バッファメモリが増え、連続撮影可能枚数が増加。JPEGファインで約77枚(前モデルは約40枚)、RAW+JPEGで約20枚(前モデルは約8枚)まで続けて撮影できる。

EOS 80D 測距エリア選択モードの設定画面。測距点の数が増え、画面の広範囲に拡大したため、ゾーンAFや自動選択AFがいっそう使いやすくなっている
EOS 80D カスタムメニューでは、被写体追従特性や速度変化に対する追従性など、AFの詳細な特性を設定できる
EOS 80D 色検知AFの設定画面。新搭載した7560画素RGB+IR測光センサーによって赤外検知や色検知が行われ、より正確なAFと露出制御が可能になった
EOS 80D 天面液晶パネルの上には、AF動作選択、ドライブモード、ISO感度、測光モード、パネル照明の各ボタンが並んでいる
EOS 80D 左肩に電源スイッチを装備。CIPA基準に準拠した起動時間は約0.16秒。前モデルの約0.15秒からわずかに低下した
EOS 80D ポップアップ式のストロボを内蔵。光通信による外部ストロボのワイヤレス制御にも対応する
EOS 80D SD/SDHC/SDXCのカードスロットを装備。ダブルスロットでないのは惜しいが、このクラスでは仕方ないところ
EOS 80D 電源はリチウムイオン充電池「LP-E6N/LP-E6」に対応。CIPA準拠の撮影可能枚数は、ファインダー撮影で約960枚。前モデルの約920枚から向上した

より実用的になった「デュアルピクセルCMOS AF」

 ライブビュー撮影時のレスポンスも大きく進化した。前モデルEOS 70Dは、ライブビュー時のAFスピードはまずまず高速だったものの、ライブビューで撮影した直後に液晶モニターがブラックアウトすることが不満だった。

 その点、EOS 80Dでは、撮影直後のブラックアウト時間が気にならないレベルにまで解消。「デュアルピクセルCMOS AF」を継承しつつ、読み出し速度の向上やアルゴリズムの改良などによって、単写でも連写でも軽快な表示とレスポンスでライブビュー撮影が行えるようになった。個人的には、この部分が最もうれしい改良点だ。

 新機能としては、上位モデルと同等のインターバルタイマー撮影やバルブタイマー撮影、タイムラプス動画を搭載。カメラ内での「歪曲収差補正」や、ピクチャースタイルの「ディテール重視」、フリッカーレス撮影、マニュアル露出モードでの露出補正などにも対応した。

 動画については、最大で1920×1080/60pのフルHD記録となる。残念ながら4K動画記録は見送られた。ヘッドフォン端子を搭載したことや、動画サーボAFのカスタマイズ、HDR動画、動画クリエイティブフィルターに対応したことは進化といえる。

EOS 80D 画面内の約80%の領域でスピーディな位相差AFが使用できる「デュアルピクセルCMOS AF」を搭載。タッチパネルも継承し、測距点の選択や撮影、再生コマ送り、拡大再生などが直感的に行える
EOS 80D マルチ電子ロックのカスタマイズ画面。背面のレバー操作でタッチパネルを一時的にロック可能になった点が便利
EOS 80D インターバルタイマーでは、撮影間隔と撮影回数を設定し、自動的に1枚撮影を繰り返すことができる
EOS 80D レンズ光学補正では、周辺光量と色収差、歪曲収差の自動補正ができる
EOS 80D ピクチャースタイルでは、上位モデルと同等の「ディテール重視」が選択でき、シャープネスも細かく設定できる
EOS 80D フリッカーレス撮影に対応。蛍光灯などのチラツキを低減できる

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