最大2Tバイトの新世代SDメモリーカード「SDXC」、使う前に知っておきたいコト:ブレイクは2年後?(2/2 ページ)
最大2Tバイトまで容量を拡張できる次世代のSDメモリーカード規格「SDXC」。規格準拠のカードや対応デジカメも登場し始めたが、使い始める前に知っておきたいこともある。本格普及は2年後?
SDXCのブレイクは「2年後」
前述したよう対応製品とカードが登場し、パソコン側もWindows OSに限られるがサポートが開始されている。SDからSDHCへのシフトを見ても分かるよう、大容量メディアへの要望は常にあり、環境が整いつつある2010年はSDXCのスタート元年といえそう。ただ、本格普及は「もうしばらく先、2年後ぐらいではないか」(サンディスク)という雰囲気だ。
その理由は環境変化のスピードにあると考えられる。SDXCのような規格が存在する製品の場合、環境変化は対応製品が潤沢にそろい、需要が喚起され、かつ、製品価格がこなれてから本格的に起こる。SDXCについては製品が登場し始めており、ハイビジョン動画、とくにデジタルカメラでのハイビジョン撮影については対応製品が一般化し、盛り上がりを見せている。つまり、製品と需要については条件を満たしつつあるといえる。残るは価格だ。
この価格についてデジタルカメラを例に考えてみよう。
デジタルカメラにとってメモリーカードは周辺機器であり、周辺機器である以上、1万円を超えると目的が明確な人しか購入しない傾向が強く、例え販売が開始されても環境変化を引き起こすほどの数量は動かない。そして、カメラとメモリーカードを同時購入する際にメモリーカードは、カメラ価格の10%程度で購入できる価格帯の製品が多く選ばれるという。つまり、SDXCのブレイク時期は「1万円以下の製品が多く市場へ流通し始める時期」と推測できる。
ちなみにサンディスクの64GバイトSDXCメモリーカードの実売想定価格は5万円前後。正直、手軽に買える価格ではないが、フラッシュメモリの低価格化が急速なスピードで進むことを考えると、“2年後”には16Gバイトや32Gバイトの大容量SDXCメモリーカードが、現在の2Gバイト/4GバイトSDHCメモリーカードのような「数千円で手軽に買えるカード」としてのポジションに位置していてもおかしくない。その時こそ、RAWだろうがハイビジョン動画だろうが、容量を気にせずにストレスフリーの撮影ができる時代の到来といえるだろう。
関連記事
- サンディスク、容量64GバイトのSDXCカード発売
サンディスクは、同社初となるSDXC規格対応の64GバイトSDXCカードを発売する。 - 世界初のSDXCカード、64Gバイトで春に発売 東芝
東芝は、容量を拡張したSDカード新規格「SDXCメモリーカード」準拠品を世界で初めて商品化する。容量64Gバイトで実売6万円前後。 - CEATEC JAPAN 2009:最大2Tバイトの「SDXC」、登場はいつ?
あの中に、最大2Tバイトも──。SDメモリーカードの新規格「SDXC」製品化の発表から約2カ月、CEATEC 2009でSDアソシエーションがメリットや大容量化までの計画を説明した。 - デジモノ家電を読み解くキーワード:「SDXC」――メモリーカードも「テラ」の時代に
大容量化が進む記憶装置。テラ単位のHDDが流通しはじめたかと思えば、今度はメモリーカードにもテラクラスの規格が現れた。今回は「SDXC」を中心に、大容量メモリーカードの規格について解説してみよう。 - エレコム、手のひらサイズの「SDXC」対応メモリカードリーダー
エレコムは小型サイズのSDXC対応メモリカードリーダー2製品を2月下旬に発売。価格は1890円から。(2010/2/9) - 2009 International CES:最大2TバイトのSDカード新規格「SDXC」
最大2TバイトのSDカードの新規格「SDXC」の仕様が策定された。 - Windows XPがexFATに対応
Microsoftは、同社がリムーバブルメディア向けとして開発しているファイルシステム「exFAT」をWindows XPで利用するためのアップデータの配布を開始した。Windows XP SP2以降で適用可能。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.