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リコー、PENTAX買収に「お嫁に来てもらったようだ」

リコーが「PENTAX」ブランドを展開するHOYAのデジタルカメラ事業を買収する。カメラ事業の強化を通じ、コンシューマ向け事業基盤の強化を図る考えだ。

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 リコーは7月1日、「PENTAX」ブランドを手がけるHOYAのデジタルカメラ事業の買収を発表した。

 HOYAが新設する子会社へ、HOYAのPENTAX イメージング・システム事業を譲渡継承し、リコーがその新設会社の発行済み株式の100%取得する。買収金額は非公開。新会社の人事は未確定だ。PENTAXブランドは存続する。

 リコーは複合機やプリンタをはじめとしたオフィス向け画像処理機器を主な事業基盤とするが、「GR DIGITAL」「GXR」など高級製品を中心としたコンシューマ向けデジタルカメラ事業も手がけている。ただ、同社では現状、コンシューマ事業領域はいまだ基盤の確立までに至っていないと認識しており、「長年の課題」(リコー 代表取締役 社長執行役員 近藤史朗氏)であるコンシューマ事業の確立のため、PENTAXの買収に踏み切った。

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リコー 代表取締役 社長執行役員 近藤史朗氏(写真=左)とHOYA 代表執行役最高経営責任者 鈴木洋氏(写真=右)

 新会社は「レンズ交換式デジタルカメラの強化」、「一般向けの写真保管・加工など新たな付加価値サービスの創出」「中判デジタルカメラなどを利用したイメージアーカイブ事業への参入検討」などを通じ、3年後には1000億円を超える事業規模を目指す。

photophoto PENTAXの主要製品(写真=左)、リコーのデジタルカメラ製品ラインアップ(写真=右)

 「(2007年の買収から)一区切りついたのでバトンタッチする。PENTAXは熱心なファンを持っているし、リコーはカメラを真剣にとらえてくれているので、ある意味、ほっとしているというのも本心。今後はリコーの手でPENTAXを大切に育ててほしい」(HOYA 代表執行役最高経営責任者 鈴木洋氏)

 「お嫁に来てもらった感じ(笑)。PENTAXのブランド価値を高めていきたいが、それだけではない。あくまでリコーにとっての買収目的は、長年の課題であるコンシューマ事業の確立だ。オフィスとホームがネットワークによって結ばれていくなか、オフィス向けだけではなく、コンシューマへ焦点を当てた製品やサービスを提供することは避けて通れない課題となる。足しての相乗効果以上のものを求めていきたい」(リコー 近藤氏)

 PENTAXについては、2009年にJVC・ケンウッドホールディングスによる買収が報じられらことがある。今回の買収は2年ほど前から話としてはあったというので、2009年当時よりHOYAは売却のタイミングを伺っていたとも言える。ただ、このタイミングでリコーによる買収が決定したことについては「双方にとってふさわしいタイミングが今だった」(近藤氏)と述べるにとどめた。

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