デジタルカメラのセンサーを知ろう:デジイチ初心者応援(2/2 ページ)
デジタルカメラの心臓部と言うべきセンサー(撮像素子)にはさまざまな種類があります。このセンサーの特徴を理解することで、カタログに記載されているカメラの特徴をつかみやすくなります。
気になる「画素数」
現在は手軽に買える価格帯の製品でも1000万画素は当たり前になっており、2000万画素を超えるデジタルカメラも散見されるようになってきました。
画素数が増えることで、記録される画像が大きくなります。例えば初期のデジタルカメラは320×240ピクセルや640×480ピクセル程度でしたが、やがて2560×1920ピクセル(500万画素)や、4000×3000ピクセル(1200万画素)といったサイズでの記録が可能となりました。発表されたばかりの3630万画素センサー搭載機ニコン「D800」では、7360×4912ピクセルという大きなサイズでの撮影が可能です。
画素数が増えることで、大きなサイズをプリントアウトしても写真がぼやけずにハッキリと見えたり、被写体のみを切り出すトリミングも実用的となりました。画素数が多くなるこで、このようなメリットが生まれたことは歓迎できるのですが、画素数が増えることによるデメリットも生まれてきました。
センサーサイズをそのままに高画素化すると1画素あたりの面積が狭くなり、1つの画素で受けられる光の量が少なくなります。そうなると、集光率低下による感度不足と、レンズの組み合わせによっては光の波長より細かくなるため解像しなくなるといった悪影響が発生します。
また、集光率の低下した画素から電荷を取り出す際には、アンプで増幅する必要があり、これにより画素のバラつき、いわゆるノイズが発生してしまいます。このノイズを抑えるためノイズリダクション処理が加えられますが、それによって解像感や色再現が悪くなってしまうこともあります。
高画素化と高画質を両立させる一番簡単な方法は、センサーのサイズを大きくすることです。同じ1000万画素だとしても、センサーが大きければ、画素のサイズも大きくできます。以前、デジカメの新製品は登場するたびに画素数が大きくなっていましたが、2010年ごろからは画質優先をうたうもののなかには、新製品ながら画素数をあえて据え置くといった製品も出てくるようになりました。
前段、「センサーサイズの大きなカメラがプロをはじめ多くのユーザーに支持されている理由は、得られる写真が高画質である」と書きましたが、それはセンサーサイズと画素数の関係からすれば、センサーサイズが大きな方が画質面で優位になることが多いためです。もちろん、「画質」とはそんな単純なものではなく、レンズや画像処理エンジンなどさまざまな要素が関係しますが、高級機と呼ばれる製品が大型センサーを搭載しているのは、このような理由があることを知っておいても良いでしょう。
実のところ用紙サイズがA4サイズであれば、1000万画素もあれば十分綺麗にプリントできます。ですが、高画素のデジタル一眼レフを「大きい」という理由で持ち歩かないのはもったいないことです。センサーの大きさと画素数のバランス、そしてカメラとレンズの大きさや重さなど、自分の用途にマッチした製品を見つけることが大事です。
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