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懐かしいあの空気感を記録する――ソニー「DSC-RX1」矢野渉の「金属魂」的、デジカメ試用記(2/3 ページ)

カメラマン・矢野渉氏が被写体への愛を120%語り尽くす連載「金属魂」。今回は世界最小の35ミリフルサイズセンサー搭載デジカメ「DSC-RX1」を手に、思い入れのある街を歩く。

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中野から新井薬師、そして哲学堂まで。懐かしい街を歩く

 RX1で写真を撮るとして、被写体として最適なものはなんだろう。使い方としたらスナップ写真、それもこのデジカメが持つ豊富な情報量(画素数とハイダイナミックレンジ)を生かすのなら、かなり思い込みの入ったものがいい。

 そこで僕は20年前まで住んでいた中野を被写体に選んだ。僕はここで大学生活を過ごし、就職をし、結婚をしたのだ。本当に懐かしい街。

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クラシカルなグリーンのストラップを付けてみた。予想通りの雰囲気になる

 中野駅に降り立ち、北口に出る。アーケードのサンモール商店街は今日も人であふれている。戦後の闇市からそのまま発展したこの街は、再開発もままならない。だからいたるところに路地がある。ひょいと脇道に入ると、メインの通りとは打って変わって、妙な静寂が感じられたりする。地元の人は幅1メートル程の路地をうまく使って、混んだ道を避けて移動するのだ。

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 この喧騒と、静寂を切り取る。RX1の描写は驚くほど素直だ。まったく癖がない。周辺の光量は落ちないし、広角レンズにありがちな、外側に引っ張られるように像が流れることもない。そのためだろうか、できた写真に立体感が感じられる。遠くの被写体と近くの被写体が、はっきりと遠近感を持って見えるのだ。これがフルサイズCMOSの持つプラスアルファの実力の部分なのだろう。

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