ミラーレス一眼の“顔”とも呼べる魅力的カメラ――「OLYMPUS PEN E-P5」(3/5 ページ)
外観の印象こそ初代から大きく変化してないが、「OLYMPUS PEN E-P5」はガラリと変わった。いわゆる「OM-D画質」になって、操作性も向上。モニタはチルトするし、手ブレ補正はよく効く。WiFiにも対応と、P3からの買い換えも勧められるデキだ。
WiFiでリモート撮影に挑戦してみる
最後にファーストインプレッションで触れられなかったWiFiの話。
モバイル機器側は「OLYMPUS Image Share」というアプリを使う。iOS版もAndroid版も6月下旬に配布が始まった。バージョン2.0以降がWiFi対応版だ。
WiFi接続が面倒だったのは、最初にスマホ側でアクセスポイントとしてカメラを選び、画面に表示されたパスワードを入れねばならなかったこと。
それを簡略化するためにパナソニックやソニー(DSC-RX100 IIで採用)はNFCを使った。NFCで直接スマホに接続用のデータを転送するわけだ。でもそれだとiOS機で使えない。
オリンパスはもうちょっと原始的でおなじみの方法を採用した。画面にQRコードを表示させ、それをアプリから撮影することで接続情報を転送するのだ。これは賢い。
iOS機の場合、これによってプロファイルがインストールされるので、うまくいけば自動的に接続されるし、うまくいかないときはiOSのWiFi設定からPEN5のアクセスポイントを選ぶだけでよい。Androidの場合は読み込んだ時点で自動的に接続される。QRコードの読み込みは1度だけでOKだ。
W-Fiアプリでできることは4つ。リモート撮影、写真転送、写真加工、位置情報付加だ。
まずはリモート撮影から。まあこんな感じ。WiFiを通して画面を見ながら撮影できる。可能なのはタッチAFとセルフタイマーと撮影のみ。機能としてはシンプルだ。
2番目の写真転送は文字通り、カメラ側の写真をスマホに転送する機能。
3つめの写真加工は、写真にアートフィルターをかけたり(これはオリンパスのカメラで撮った写真でなくてもOK。スマホで撮った写真にもかけられる)、フォトストーリーモードで撮った写真にスタンプをつけることなどができる。
位置情報付加はスマホをGPSロガーとして使う機能で、撮ったログからカメラ内にある写真に位置情報を添付できる。面白いのは、ログをメールなどに添付して出力することで普通のロガーとしても使えること。.log形式のファイルで出力される。作業が終わったらスマホ側からカメラの電源を切れるのが意外に便利。
とうとうオリンパスもWi-Fiに本格対応し、スマホ時代に一歩踏み出したという感じだ。
正直、前モデルまでのPENシリーズは操作系やデザインになじめないところがあったが、フルリニューアルしたP5でその手の不満は解消した。グリップしたまま基本操作はできるし、操作系のカスタマイズも十分だし、モニタはチルトするし、手ブレ補正はよく効く。
ぜひ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」や「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」といった単焦点レンズと一緒に楽しみたい。マイクロフォーサーズは撮像素子が小さい分、レンズもAPS-Cクラスに比べると圧倒的に小型軽量であり、交換レンズを何本持ち歩いても苦にならない。ゴツいカメラバッグを用意しなくても複数のレンズを気楽に持っていって楽しめるのはマイクロフォーサーズの大きなメリットでもある。
さらに、そろそろP5やE-M5に似合うオリンパス製ハイエンドズームレンズも欲しいところでもある(現状、このクラスに似合うズームレンズはパナソニック「LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH./POWER O.I.S」になってしまう)。ともあれP5はミラーレス一眼の顔といっていいくらい魅力的なカメラに仕上がっており、買い換えユーザーも含めてお勧めしたい。
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