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ライブビューAFが超高速化、写真愛好家への新スタンダード キヤノン「EOS 70D」

キヤノンがミドルクラスのデジタル一眼レフ新製品「EOS 70D」を発売する。2020万画素CMOSセンサーやDIGIC 5+といった最新デバイスを惜しみなく投入したほか、新方式のCMOSセンサーAFの搭載によってライブビューや動画撮影でも高速なAFを楽しめる。

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 キヤノンは7月2日、デジタル一眼レフカメラ「EOS 70D」を8月29日より販売開始すると発表した。価格はオープン。同社直販サイトでの販売価格は、ボディが12万9800円、「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」とのキットが13万9800円、「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」とのキットが16万9800円。

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「EOS 70D」(レンズは「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」)

 新製品は「EOS 60D」(2010年8月発表)の後継となる、ミドルクラスのエントリーモデル。エントリーとはいえども写真趣味層を対象とした機種であり、最新の画像処理エンジンである「DIGIC 5+」や有効2020万画素のAPS-CサイズCMOSセンサー、さらには新方式のCMOSセンサーAFである「デュアルピクセルCMOS AF」といった最新技術が投入されている。

 新製品のCMOSセンサーは1つの画素が2つのフォトダイオードで構成されており、それぞれのフォトダイオードは独立して光を取り込むことができる。ミラーアップして行うライブビュー/動画撮影時には、2つのフォトダイオードが取り込んだ、取り込む場所の異なる2つの光の位相差を用いて対象との距離を測り、AFを駆動する。これが新システムの「デュアルピクセルCMOS AF」だ。

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 撮像用のCMOSセンサーで対象との距離を測るという意味ではEOS Kiss X6iなどが採用している「ハイブリッドCMOS AF」と同義だが、ハイブリッドCMOS AFは撮像素子面に位相差AF用のセンサーを配置しているのに対し、デュアルピクセルCMOS AFでは撮像用の画素が位相差AF用センサーの構造を兼ねている点が決定的に異なる。

 コントラストAFとのハイブリッドではなく、原理的には光学ファインダー撮影時の位相差検出AFと同様であり、撮影条件と使用レンズによって異なるが、基本的には位相差AFだけで最終的な合焦まで完了するため、1方向のみの駆動で合焦する。そのために同社では、「ワンショットAFの高速化」「コンティニアスAF/動画サーボAFの追従性向上」「動画サーボAFの滑らかさ向上」などを期待できとしている。ただ、光学ファインダー撮影時の位相差検出AFに比べると、AEの分だけやや、デュアルピクセルCMOS AFの方が合焦に時間がかかる。

 なお、2つのフォトダイオードで構成された画素は撮像素子全面に配置されているが、デュアルピクセルCMOS AFの適用エリアは撮影画面内の縦横約80%に限られている。これはすべてのEF/EF-Sレンズで安定したAF制御を行うためだという。

 撮像素子はAPS-Cサイズ(22.5×15ミリ)の有効約2020画素CMOSセンサーを搭載、画像処理エンジンには「DIGIC 5+」を組み合わせており、最高で約7コマ/秒の高速連写が可能だ。常用ISO感度はISO100〜ISO12800で、感度拡張によってISO25600も設定できる。測光センサーにはEOS 7Dと同様の63分割測光センサーを搭載、AFは中央F2.8対応クロスの全点19点クロスセンサーと強化された。なお、「AIサーボAF」はフラグシップ機「EOS-1 DX」で採用されたアルゴリズムを搭載した「AIサーボAF II」となっており、特性カスタマイズも行える。

 ガラスペンタプリズムを採用する光学ファインダーの視野率は98%、倍率は0.95倍。3型ワイド/104万画素の液晶モニターは前モデルのEOS 60Dと同じく左ヒンジのバリアングル機構を備えており、三脚設置時などでもアングルの自由度が損なわれることはない。Wi-Fiも内蔵しており、スマートフォン/タブレットへの画像転送などを行える。

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背面液晶はバリアングル機構を備える

 撮影機能としてはHDRや多重露光、ピクチャースタイル、クリエイティブフィルター、表現セレクト、カメラ内RAW現像、クリエイティブオート(A+)といった、既存EOSシリーズの備える機能を多数備えており、フルオートから凝った撮影設定までさまざまなシチュエーションやユーザニーズに対応する。

 ガイドナンバー12(ISO100・m)のポップアップ式ストロボを搭載しており、本体サイズは約139(幅)×104.3(高さ)×78.5(奥行き)ミリ、約675グラム(本体のみ)。バッテリーには「LP-E6」を使用し、最大撮影可能枚数は約920枚(常温、フィアンダー撮影時)。

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