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第166回 海辺と炎天下と防水カメラの関係今日から始めるデジカメ撮影術(1/3 ページ)

夏といえばそう海であり撮影術的には水着。というわけで、恒例の水着の回がやってまいりました。夏らしい炎天下と砂の照り返しは強烈なので、夏らしい海辺の日差しとどう付き合うか、その辺のお話を中心に。

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 今年(2013年)は例年より早く梅雨が明けたので、恒例の水着撮影も炎天下となったわけである(編注:気象庁によると関東甲信地方の梅雨明けは、平年では7月21日ごろです 気象庁 気象統計情報)。

 だから例年より夏らしい感じでいくぞ、ってことで、防水デジカメらやら外付けフラッシュやらNDフィルタやらあれこれ機材を準備しての挑戦となった。なぜ外付けフラッシュがあるといいのか。だって炎天下でしょ?

 その辺の話もまじえつつ

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ちょっと大人っぽく

晴れた日の海は明るすぎるので明るすぎ対策を

 晴れた日の海へカメラを持って行くならちゃんと「アイレベルファインダー」(要するに目をくっつけてのぞき込むファインダー)を持ってるカメラがいい。周りが明るすぎて、液晶モニタだと、とっても見づらいから。一眼レフだったら光学ファインダーを持ってるからいいが、ミラーレス一眼の場合はEVF付のもの、あるいは外付けEVFを用意したい。

 準備したらさっそく波打ち際で撮影。

 海を背景に後ろ姿。ちょっと上から背景が全部海になるようにして撮ってみた。これから海だぞーという感じが出るから。撮られてる方は油断してるかもしれないけど。身体が少し左を向いてるので、構図の少し右側に彼女を置く。すると左奥に向かう感じになる。そして少しプラスの露出補正で。

 基本的に晴れた日の海は、プラスの露出補正が基本。これは+1.7で撮ってる。背景が白くて明るいから。

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 やっぱ海へ出たら全身を撮りたいよねってことで、ズームレンズであれこれ撮り比べから。

 海で撮るときは、明るさ(露出)と画角(焦点距離)とアングルが大事。

 例えば広角側で目の高さで普通に撮ると(だいたい一緒に海に歩いて行くような距離で、楽をして撮ろうとするとこうなる)、上から見下ろすうえ、広角側は遠近が強く出る分、どうしても下半身がすぼまってしまい、胴が長く足が短く見えちゃう。それはちょっとよろしくない。

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 そういうときはがんばって少し腰を落とし、カメラを胸から腰の高さにする。そうすると上半身と下半身のバランスが良くなる。水平線が胸から腰くらいにくるよう注意すればいい。あまりがんばって中腰で撮ると腰を痛めるので、まあ、水平線が肩より下にあればいいかなと。

 というわけで、さっきより少し低い位置から2枚どうぞ。

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 この2枚、すごく似てるけどよく見ると違う。

 何が違うのか。2枚目の写真はさらに一歩引いて、ズームレンズを少し望遠気味、中望遠くらいにして撮ってるのだ。

 広角側の写真に比べるとスタイルがきれいに出てるのが分かるかと思う。全身を撮るときは中望遠で縦位置で、というのがオススメ。それから頭の上に無駄な空間ができないように、構図全体を使うとオーソドックスな写真。

 もっと望遠にすると、背景との距離感がだんだんなくなっていく。これは望遠レンズの圧縮効果というのだけど、ここで波が来てるタイミングなんかで撮ると、背景全体が波になってすぐ後ろに来ている感じになる。だから高い波が見えた瞬間を狙ってみた。

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 で、座ってるときは広角と望遠の話が逆になる。

 上から広角で撮ると胴長に見えちゃうが、足下から広角で撮ると足がすらっと長く見えるのだ。逆に望遠で撮ると遠近が弱くなるから足が小さく見える。

photo 広角だと足が長くすらっと
photo 望遠にすると足が小さく見える

 こういう特性を上手に使うべし。

 次のポイントは明るさ。肌をより白く、もう背景なんてどうでもいいや、と思ったら思いっきりプラスに。露出補正しないとさすがに暗く写っちゃうので、プラス2くらいで背景をおもいっきり飛ばして白く明るく撮るか、プラス1くらいでほどよいバランスにおさえるか。好みです。

photo 露出補正なし
photo 露出補正+1
photo 露出補正+2

 海にいるってことがすっかり分からなくなるけど、思い切りプラスにして明るく飛ばすというのも捨てがたい。ほわっとやわらかく撮れるのだ。ゆるふわな感じですな。

 逆に明るくきりっと撮りたいときは、外付けストロボを使うのも楽しい。内蔵ストロボはまず光が弱い上に、ハイスピードシンクロ撮影(FP撮影)にたいてい対応してないので難しい。

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ちょっとお高めのストロボ(「FL-600R」)をつけてみた。実売約3万円

 普通のストロボは1/250秒以下くらいにしか同調しないが、ハイスピードシンクロ撮影に対応していたら、超高速(それこそ1/2000秒とか)にも同調して発光してくれるのだ。その分光量は落ちるが、ポートレートの距離ならなんとかなる。

 それがこれ。

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ほっぺのてかりや目の中を見るとストロボをたいた、というのが分かる

 これなら背景も白く飛ばず、きりっという感じで撮れる。まあちょっとわざとらしくはなるけど、その辺は好みで。

 あとはまあくだらない会話をしながらたくさん撮る。連写も使う。しゃべりながらだと表情が細かく変わるので、連写した方があとからいい表情のものを選べるのだ。あとね、手はあれこれ動かしてもらった方がいい。その方が身体もほぐれるし。

 と、同じような写真ばかり撮っててもアレなので、せっかく海に来たのだから、海辺らしい風景も上手に使ってみたいところ。

 とはいえ、単に真ん中に立って広角で撮って終わり、では何を撮りたかったのかさっぱり分からない写真になる。海に背中を向けてるし、波打ち際の入り方が中途半端だし。

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 でもちょっといじってみるとずいぶん雰囲気が変わる。レンズの焦点距離を標準域にしてちょっと遠くから狙い、腰をぐっと下げて上半身が空にかぶるようにし、彼女を少し端において、その分波打ち際が斜めに大きく入るようにしてみた。

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 でもまあ、ここまで海水浴場に人がいないってことは、休日ではあり得ないので、実際にオンシーズンの海水浴場だと周りに人がいっぱい写っちゃってちょっとアレですが。

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