言葉としては知っていてもちょっと分かりにくい写真用語の感覚的な理解に挑んでみる(5/5 ページ)
「露出」に「絞り」「シャッタースピード」「ホワイトバランス」などなど、写真用語を言葉として知っていても、「どれをどの程度変えると、イメージした写真に近づくか」を感覚的に理解するのはちょっと骨が折れる。カシオ「EX-100」で練習してみた。
シャッタースピード
シャッタースピードを変えることでも、写真はいろいろと面白く変化する。シャッタースピードを速くすれば被写体をピタリと止めた写真が撮れるし、遅くすることで躍動感を与えることもできる。
被写体にもよるが、ピタリと止めたいのであれば1/500秒以上、動きをとらえたいなら1/125秒以下がひとつの目安になる。ただ、このシャッタースピードの値は被写体の動きによるところが大きいので、なかなかイメージ通りに撮るのは難しい。そんな時に役立つのがこのブラケット機能だ。
写真は勢いよく水が流れる街中のオブジェを写したもの。シャッタースピードが1/2だと、水の流れが絹糸のようで美しい。1/15秒になると、水しぶきがあがってなんともダイナミックに。1/60秒では、もはやこれは大嵐かといった情景で、中央に落ちている葉っぱが遭難しかけている舟にも見えてなんとも言い難い一枚になった。
もうひとつはライトアップされた桜並木を走り抜けていくタクシーを撮ったもの。こちらは1/2秒ではすでに車かどうかもよく分からず、1/60秒では少しブレているがあまり躍動感は感じられない。1/15秒だと疾走感もあり、なかなかよさげな1枚に仕上がった。
このように被写体によってまったく適したシャッタースピードは違うので、もしオートで撮れないようなら、マニュアル設定で細かく速度を調整してみよう。また、シャッタースピードを遅くした場合は手ブレの危険性もあるので、場合によっては三脚も使いたい。
「ヒント!」
- シャッタースピードで表現できること
シャッタースピードが速ければ一瞬の動きを止めることができ、遅ければ逆に動きを表現することができる。ただ、適正な速度は被写体や集の環境、レンズの明るさやISO感度、絞り値など、さまざまな要素が絡み合う。カメラが導き出した適正値を確認した後、自分で速くするあるいは遅くするなどのトライアンドエラーから始めてみよう。
カメラの設定に詳しくなくても自分のイメージに近い写真を撮ることができるようになるプレミアムブラケティングは、ビギナーにとってはとてもありがたい機能と言える。そのうえ、撮影された写真の設定値を後で確認することで、どうすればこのような写真が撮れるのか勉強になるので、カメラを始めた人にとってはまさに一石二鳥のお役立ち機能だ。また、使い慣れた人にとっても、さまざまなブラケティングを試すことで新しい発見があるかもしれないのも付け加えておこう。
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