人間の視野角に最も近く、撮影イメージがつかみやすい“標準”レンズ:単焦点レンズのキモ(50ミリ編)
50ミリのレンズは「標準レンズ」と呼ばれ、写真を撮るときの基本的な焦点距離になります。近づいて撮る、あるいは離れて撮るといった単焦点レンズの基本を学ぶにももってこいのレンズです。
焦点距離50ミリ(35ミリフィルム換算)というのは、人間の視野角にもっとも近いと言われている、いわゆる標準の画角。目で見ている大きさや感覚に近いので、ファインダーを見る前に頭に浮かんだ「このイメージ(風景など)が撮りたい!」をそのままに、思い描いた写真が撮りやすいレンズです。
被写体を目立たせたいときは近づいて撮影。また、離れることでさりげなく、被写体を風景にとけ込ませたりと、この1本でさまざまなバリエーションの写真を撮ることが可能です。今回は、オリンパスの「OM-D E-M10」と「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」(35ミリ換算で50ミリ相当)を使って、50ミリレンズのポイントを紹介します。
近づいて被写体の印象をアップさせる
絞りを開けて被写体に一歩近づくことで、手前にある物や背景がボケやすくなるので、ピントが合った部分が浮き立ち、撮りたかった物がはっきりと浮かび上がってきます。
このとき、手前にあるものや背景を、分かるか分からないかくらいまでほどよくボカすことで、写真を見たときに引き込まれるような印象を作ることができます。
一歩離れて被写体と情景を写し込む
次は、同じ場所ですが自分の見ていいと思った場所から一歩離れて撮影したケース。全体的にどんな場所なのか分かりやすくなったのではないかと思います。
一歩自分の目線より引くことで客観的に写真に収められるため、どんな場所で何が行われている、何があるのか、といった要素が写真に現れ、状況を伝えやすくなるのです。
スローシャッターで日常と非日常の瞬間を切り取る
50ミリレンズを通して日常を見ることで、前述のようにさまざまな写真が撮れることをお話しさせて頂きましたが、それにもう1つ、付け加えておきたいことがあります。スローシャッターで撮影すると、同じ50ミリでも、写真ならではの人間の目では見えない非日常的な世界観を写すこともできるのです。
こういった、フットワーク+写真でしか見えない世界を作りながら撮影してみても面白いかと思います。
撮影者プロフィール
MAKOTO TSURUTA(つるた まこと)
元『週刊ゴング』カメラマン。スポーツで写真を学び、その後メーカー担当として首都圏量販店に常勤し、一眼レフカメラの販売を担当。現在Webプロモーションを得意とする活動の傍ら、写真をさらに楽しむコンテンツサイト「PHOTOWORK」http://photowork.jp/を運営中。個人サイトはhttp://one-cut.net/
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