リアルタイム・ビューファインダー搭載の「FUJIFILM X30」を発表
富士フイルムのプレミアムコンパクトデジカメのラインアップに「FUJIFILM X30」が登場した。タイムラグの少ないEVF「リアルタイム・ビューファインダー」を新たに搭載したのが大きな特徴だ。
富士フイルムが8月26日、デジタルカメラ「Xシリーズ」の新モデル「FUJIFILM X30」を発表した。タイムラグの少ない電子ビューファインダー(EVF)と高速AFが特徴のプレミアムコンパクトデジカメで、価格はオープンプライス。店頭での実売予想価格は6万5000円前後(税別)。ボディカラーはBlackとSilverの2色を用意し、9月20日に発売する。
FUJIFILM X30の魅力は、最大表示倍率0.65倍、世界最短表示タイムラグ0.005秒を実現したEVF「リアルタイム・ビューファインダー」を搭載した点。画素数も236万ピクセルと精細で、ファインダーをのぞいて撮る楽しさを目指したという。表示タイムラグは0.005秒で、2014年8月時点で世界最短(富士フイルム調べ)だという。
シーンに応じてファインダーの明るさを自動で制御する機能を搭載したほか、「撮影効果反映」機能をオンにすると、フィルムシミュレーションなどの撮影効果を画面表示に反映できる。またカメラを縦に構えたときはファインダー内の表示も自動で縦位置に変えるなど、光学ファインダーでは難しい機能も取り入れている。
前モデルのFUJIFILM X20と同様、レンズの鏡筒にはマニュアルズームリングを備えるほか、コントロールリングを新たに用意。ズームだけでなく、シャッタースピードやISO感度、フィルムシミュレーション、ホワイトバランス、連写など好みの機能を割り当てられる。レンズはワイド端が28ミリ相当、テレ端が112ミリ相当の光学4倍ズーム。F値も2.0〜2.8を確保しており明るい。レンズシフト式の手ブレ補正機構も搭載している。AFも世界最速クラスの約0.06秒での高速AFを実現。像面位相差AFとコントラストAFを状況に応じて切り替えるので、さまざまなシーンでのAFがすばやく行える。
撮像素子は2/3型X-Trans CMOS IIセンサーで、非周期性の高い独自のカラーフィルター排列のため、光学ローパスフィルターなしでもモアレや偽色の発声をおさえつつ、ローパスフィルターレス仕様となっている。画素数は1200万画素だ。
背面には、上下に角度を変えられるチルト式の3.0型92万ピクセルの液晶モニターを備える。ファンクションボタンは6つ搭載しており、各ボタンに好みの機能が割り当て可能。背面の「Q」ボタンを押すと、16種類の設定項目を一覧表示し、その場で設定変更ができる。
ボディの天面と底面パーツには軽量・高剛性のマグネシウム合金を採用。レンズ鏡筒にはアルミを削りだした金属製リングを用いるなど、随所に質感の高いマテリアルを配しているのも特徴だ。
また、富士フイルム独自のカラーモード「フィルムシミュレーション」に、新たに「クラシッククローム」を用意した。クラシッククロームは、従来のフィルムシミュレーションにはなかった、深みのある色合いと柔らかな陰影のドキュメンタリーフォトなどに適した写真表現ができるモードだ。今後の新製品にも搭載されるという。クラシッククローム以外にも、Velvia/PROVIA/ASTIA/PRO Neg.Std(プロネガ スタンダード)/PRO Neg. Hi(プロネガ ハイ)など、イメージに合わせてモードが選択できる。
このほか、専用アプリ「FUJIFILM Camera Remote」を利用することで、スマートフォンやタブレットからのリモート撮影や画像の転送なども可能になる。
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