コンパクトなボディに“G”の名にふさわしい高画質――「PowerShot G7 X」:EVFは欲しかったけど(1/3 ページ)
キヤノンから登場した、1型センサー搭載のハイエンドコンパクト「PowerShot G7 X」は、ボディのサイズ感こそPowerShot S120をほうふつとさせるが、その画質の高さはプレミアムコンパクトの名にふさわしい。
キヤノンからすごいコンデジが出た。ハイエンドコンデジには「どこがコンパクトなん?」と突っ込みたくなる製品も多い中、まぎれもなくコンパクト。
ソニーの「DSC-RX100」が登場して2年半、とうとう他社からも真っ向勝負する「1型センサー搭載コンデジ」が出たのだ。
「PowerShot G7 X」(以下G7 X)である。
とにかくコンパクト。キヤノンのハイエンド機というと、薄くてコンパクトな「PowerShot S120」か、ちょっとゴツいけど高性能で操作性高い「PowerShot G16」か、となるのだけど(さらにデカい「PowerShot G1X mark II」はおいておくとして)、G7 Xは、奥行き以外をPowerShot S120と同等サイズに小さくしながら、1型の大型センサーを搭載したのだ。
RX100 IIIに比べると14グラムほど重いのだが、まあそのくらいは気にならない。いよいよハイエンドコンデジ新時代か、と期待しつつ、ちょいと使ってみる。
1型センサーで24〜100ミリのハイエンド仕様
G7 Xは正にハイエンド仕様のスペックを持っている。
センサーは1型の2020万画素で、アスペクト比は3:2。基本スペックはソニーのRXシリーズとほぼ同じだ。
レンズの焦点距離は24〜100ミリ相当と、4.2倍のズームを実現しながら明るさはF1.8〜F2.8。ちなみに、ライバルと目されるソニーのRX100 IIIはF1.8〜F2.8ながら24〜70ミリ相当なので、G7 Xの方が望遠側に長い。なのにレンズは大きすぎず、素晴らしい。このサイズでテレ端でF2.8となればかなり安心して使えるし、背景のボケも楽しめるってもんだ。
マクロもワイド端でレンズ前5センチ。ワイド端からちょっとの間は5センチまで寄れるし、ズーミングした際に撮影最短距離が画面に表示されるのでありがたい。望遠端では40センチ。
で、通常のAFモードで最短距離まで寄るが、マクロモードにすると50センチ以遠にピントが合わなくなる。実は使ってて、近距離の小さめの被写体だと後ろにピントが抜けちゃうことが散見されたのだが、そういうときはマクロモードにすれば解決するかもしれない。
ISO感度はISO125から12800。ISOオート時の振る舞いを細かく指定できる。
ISO感度の上限と感度の上がり方を指定できる。感度の上がり方は遅め・標準・早めだが、「遅め」というよりは「遅い!」、「早め」というよりは「速い!」という感じ。つまり「遅め」にするとギリギリまで上がらないし、早めにするとあっという間に上がる
シャッタースピードは最高で1/2000秒。晴天下で絞り開放で撮りたい、となると露出オーバーになってしまうが、そういうときはNDフィルタをオンにして対処できる。
撮影関連の機能はキヤノンお馴染みのものがずらり。
マニュアル系の各種モードでは暗部補正やダイナミックレンジ拡張(ハイライト部を1段分拡張できる)、各種マイカラーを指定できる。
PowerShot Nで採用された「クリエイティブショット」(3枚連写して、オリジナル1枚+5枚のフィルタをかけた写真を作ってくれる)モードは機能が強化され、従来通りのオートの他、レトロ、モノクロームなどのカテゴリーを設定できるようになった。
シーンモードでは星空系の機能も充実。星空ポートレート、星空夜景、星空軌跡の他、星空インターバル動画も撮れる。クリエイティブフィルターモードでは、背景ぼかし(フォーカス位置をずらした写真と2枚撮影し、合成することで背景を大きくボカした写真を撮る)、5種類の仕上がりから選べるHDRなどが用意されている。
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