「OM-D E-M1」ファームウェアVer.2.0の進化ポイントを探る:注目の4機能を解説(2/2 ページ)
オリンパスのハイエンドミラーレス一眼「OM-D E-M1」のファームウェアが、Ver.2.0へとメジャーアップデートを果たした。1.xから2.0になり、どこが変わったのかチェックしていこう。
いろいろと改善された16項目
お次は改善編。まずは撮影回りから。
「低振動モード」。これは2014年春のファームアップで追加されたのだが、あまり知られていない。「低振動モード」はシャッターを押してから撮影までに少し間を置くことで、シャッターによるブレを防ぐ機能。低振動モードで「0秒」にすると、電子先幕シャッターに切り替わる。もともとE-M1の5軸手ブレ補正は優秀なのだが、これによってシャッタースピードがやや遅めの時にぶれにくくなる。常時オンにしておいて構わない機能。
カスタム設定の中にある低振動モード。0秒に指定すると、1/320秒以下の時に電子先幕シャッターに切り替えてくれる。以外に知られてない。
続いて、2.0で改善された表示タイムラグ。ミラーレス一眼で常に問題とされるのが表示タイムラグ(EVFやモニタに表示されるまでにどうしても電子処理の時間がかかるため)。これが、他社の今年の最新モデルに比べてやや遅かったが、それが高速化された。表示タイムラグが約16ミリ秒になったのである。設定から「フレームレート」を「高速」にしたときに16ミリ秒になる。スポーツなど動く被写体を撮る人にうれしい改善だ。
個人的に嬉しかったのは2点。1つはHDR機能。実はHDRモードで撮影するときは露出補正ができなかったのだ。これは不便だと思っていたのだが、ファームアップで対応してくれた。
タッチAF回りも改善した。OM-D E-M1には拡大枠モードというのがあり、そうするとフォーカスエリアを小さくできたり、その枠を拡大表示してフォーカスのディテールを確認できる。タッチAFすると自動的にこの拡大枠モードに切り替わる。ただ拡大枠モード時にできる操作に制限があり、かつてはタッチAF時に連写モードを切り替えることができないなど、不便な点があった。そこが改善された。
言葉で書くとややこしいけど、使ってみると、操作の不自然さが減ったのが分かる。
あとは、BKTのオン/オフをボタンに割り当ててるとき、ボタンの長押しでブラケットの設定を変更できるようになったとか、電動ズームレンズのズーム速度設定が可能になったとか、カスタムセルフタイマー時に各コマAF機能を追加したとか(セルフタイマーで複数枚撮影するとき、毎回AFを働かせる機能)、そんな細かい改善が多く盛り込まれている。
ハイエンド機は製品サイクルが長くあってほしいし、長く使いたいもの。でも新しく出た下位モデルに機能面であっさり追い抜かれかねないのがデジタルの時代というもの。そういう点では、こうして新型モデルに搭載された新機能や、操作性の改善をファームウエアのアップデートという形で行ってくれれば安心して使える。
メーカーから見れば、無償アップデートは負担かもしれないが、それがデジタルならではということである。
全てのE-M1ユーザーはもれなくアップデートすることをお勧めする。
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