第180回 昆虫とマクロとピントの山の関係:今日から始めるデジカメ撮影術(2/3 ページ)
夏の盛りから少し時間が空いてしまって、ちょっと季節はずれになりかけているが、今回は虫を撮る話。マクロでぐぐっと寄るとなかなかキュートで面白い写真が撮れる。
虫ってマクロで寄れば寄るほど面白かったりするので、別の機会にもっと寄ってみた。
撮った写真を仔細に見たら、目にピントを合わせたかったのに、顎に合ってる。しかも目がボケてるのに口元の毛が妙にリアルで、なんか撮りたかった写真じゃない。
お次はこちら。なんとか目がくっきりしてくれた。といってもトンボの目はとても立体的なので、この細かい複眼のどこに合わせるべきかという問題も絡んでくるわけで、1枚目は複眼の手前の方にあってる。2枚目はもう少し後ろにあってて複眼の様子が分かりやすい。
両者の違いはもう1つある。1枚目はF2.8で、2枚目はF8で撮ってること。絞り値は大きくした方がピントの合う範囲が広くなるので、マクロ時はいくつにするかがとても大事なのだ。絞りを開いて背景をぐわっとぼかすか、ある程度絞ってピシッと撮るか。
絞って撮ると撮りやすいけど、その分シャッタースピードが落ちるという問題もある。どっちを優先するかですな。
レンズ交換式としてはイメージセンサーが小さめのマイクロフォーサーズでこうだから、APS-Cやフルサイズになるともうピントの合う範囲が狭くて大変である。そういう意味では、そういうシビアなピントの写真を撮り慣れてない人にはマイクロフォーサーズくらいがいいかも。
ちなみに、本格的にピンポイントでピントを合わせたいときは、ちゃんと三脚を使い、液晶モニタに拡大表示しながらマニュアルフォーカスで撮るべし。一眼レフの人も、ライブビューにしてマニュアルフォーカス、が一番正確に合わせられる。
三脚がないときは、連写がいい。数枚連写して「この中でピシッと狙った位置にピントが来てる写真がありますように」と祈る。適当ですみません。
でも、人が構えて撮る限り、手の0.1ミリのブレは避けられないわけで、それでピントの山がずれちゃうのだから、近距離撮影って怖ろしいのだ。
あと、近付きすぎてトンボが逃げちゃうことが頻繁にあるけれども、そのままじっとしてれば同じ場所に戻ってきてくれたりするのでまあ慌てないのが一番。
虫マクロは面白い
でもまあ虫マクロは面白い。バッタにそっと近づいてアップで撮ってみたりとか。
草むらにショウリョウバッタを見つけた。そっと隠れてるのを見つけた。普通に見つけた距離で中望遠で撮るとこのくらい。
バッタさん、動かないでね、と祈りながらそっとカメラを近づける。ショウリョウバッタは細いのでF2.8で思い切りボカしつつ狙ってみた。
人でもほ乳類でも虫でも、特にここを撮りたいってのがない限り、ピントは目に合わせるのが基本。
でもお勧めは正面から。こちらはF4.5で。
正面から見るとちょっとコミカルで宇宙静物がギャグをかましてるようで(どんなシチュエーションだよそれは)面白い。
実はこれを撮ったのは夏なのでまだバッタも若い。
こちらもアップで。
バッタ以外もいってみよう。ガクアジサイの花に寄ってきたアブ(だと思う)。
胴体の黄色のシマシマと赤い目がキレイだったので、プラスの補正をかけて明るめに爽やかに撮ってみた。
夢中になってたのでそっと正面に回ってもう1枚。この辺ももちろん連写しております。三脚使ってないです。
で、一瞬飛んだのですかさず撮影。
実はピントの山がずれちゃってるのだが(さすがに動いていると難しい)、色がきれいだったので採用。シャッタースピード優先で1/250秒で撮ってみた。
ちなみに、1/2000秒まで上げると羽もそれなりに止まって見える。
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