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Xマウントユーザーなら避けて通れない大口径望遠ズーム――富士フイルム「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」交換レンズ百景

富士フイルムから登場した、F2.8通しの望遠ズームレンズ「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」は、フルサイズ一眼の70−200mm F2.8クラスに相当する大口径ズームだ。コンパクトで取り回しのいいこのレンズ、Xマウントユーザーなら押さえておきたい1本だ。

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XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」。ボディは「FUJIFILM X-T1」を組み合わせた

 Xマウントユーザー待望の、防塵防滴耐低温設計のF2.8通し望遠ズームレンズがついに登場した。以前インプレッションした「XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR」同様、撮影環境を選ばないタフでオールマイティーな一本に仕上がっている。X-T1に装着して早速試してみた。

 35ミリ版換算で76ミリ〜213ミリ相当という、よく使うズームレンジをカバーしているので、風景からスナップ、ポートレートやスポーツなどあらゆるジャンルの被写体に向いている。70-200mm F2.8とほぼ同等の撮影範囲だが、フルサイズ用のそれと較べると一回り小さいので、携行およびフットワークが軽くなるのがメリットだ。

 使用感はすこぶる良い。適度なトルク感のあるズームリングは操作しやすいし、トリプル・リニア・モーターによるAFは静かで高速なピント合わせを可能にしている。「X-T1」単体に装着するとやや重いかな?という印象だが、バッテリーグリップを装着して使えばちょうどいいバランスになりそうだ。ややきついレンズフードにはPLフィルター操作用の小窓が設けられている。脱着式のふたを外せば指先でPLフィルターを回すことが可能になるので、風景撮影で多用するフォトグラファーには嬉しい仕様だ。また三脚座はネジ2本で脱着できるので撮影スタイルに合わせることが簡単になっている。

 写りも絞り開放からシャープな絵を約束してくれる。スーパーEDレンズ1枚を含む6枚のEDレンズ、富士フイルム独自の多層コーティング処理「HT-EBC (High Transmittance Electron Beam Coating)」を施し、クリアでとてもヌケのいいカットを撮ることができた。特に強烈な太陽光が入ったカットのクリア感がとてもいい感じで、X-T1のEVFをのぞいていても気持ちよかった。もちろん写しとられた絵もイメージ通りであったことは言うまでもない。防塵防滴耐低温設計でF2.8通し、という万能感溢れる大口径ズームということで「Xマウントユーザー」は避けて通れないマイルストーンレンズが登場したな、という確信を持った。新たに登場する予定のXF 16-55mm F2.8 R LM WRと併せて使いたい一本だ。

XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
F2.8、1/420秒、ISO200、絞り優先オート、WBオート、-0.33EV、140ミリ

 岸壁に放置された自転車を絞り開放で。金属部分の冷たそうな描写と、柔らかい背景のボケがいい印象だ。レンズの重量バランスもほどよく、X-T1にバッテリーグリップを装着すればそれはさらに高まりそうだ。

XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
F8、1/1480秒、ISO200、絞り優先オート、WBオート、-0.67EV、140ミリ

 テレ端で湾岸マンション群を撮ったが、直線の真っ直ぐ感が気持ちいい。各戸のガラスやベランダの写りも注目だ。

XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
F8、1/500秒、ISO200、絞り優先オート、WBオート、-1.67EV、140ミリ

 35ミリ版換算76mm〜213mmというズームレンジはフルサイズの70-200mm F2.8と同等だが、一回りコンパクトなサイズ感が撮影時のフットワークを軽いものにしてくれる。

XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
F5.6、1/1600秒、ISO200、絞り優先オート、WBオート、-1EV、140ミリ

 トリプル・リニア・モーターによるオートフォーカスは高速で正確だ。また音も静かなので室内での撮影時には役立つときもあるだろう。また防塵防滴耐低温設計なので過酷な環境下でのスポーツやワイルドライフ撮影にも有効だ。

XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
F8、1/300秒、ISO200、絞り優先優先オート、WBオート、-0.33EV、115ミリ

 F8に絞って停泊中の船舶を撮る。しっかりとした色乗りとコントラスト、ヌケ感が頼もしい。Xマウントユーザーなら一度試してほしい。

XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
F10、1/400秒、ISO200、プログラムオート、WBオート、-0.67EV、140ミリ

 トルク感のあるズームリングは、動いているものを撮るときに思い通りのズーミングが可能だった。軽すぎず重すぎず狙い通りに位置を変える船を追尾しながらシャッターを切った。

XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
F4、1/1900秒、ISO200、絞り優先オート、WBオート、-0.33EV、140ミリ

 細かい飛沫が舞う波打ち際でカモメをシューティング。このような条件でも飛沫を気にせずに(もちろんレンズ前玉には付着しないように注意が必要だ)撮影できるのがこのWRシリーズレンズのメリットだ。チョイ絞りで浮き立ったカモメの羽毛感が美しい。

XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
F2.8、1/1900秒、ISO200、絞り優先オート、WBオート、-0.67EV、140ミリ

 X-T1のフィルムシミュレーション「モノクロ」で撮影。玉砂利の濡れた感じ、波のクリーミー感がとてもいい描写を見せてくれた。タフネス性と写りを両立させたこのレンズは魅力だ。

XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
F2.8、1/125秒、ISO200、絞り優先オート、WBオート、50ミリ

 ワイド端でモデルを撮影。フルサイズ約75ミリ換算となり、ポートレートにも使いやすい長さとなる。自然な肌の質感再現、背景のボケもなかなかいい雰囲気だ。

XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
F5.6、1/400秒、ISO200、絞り優先オート、WBオート、-0.33EV、58.7ミリ

 よく効く手ブレ補正機能も嬉しい。強烈な海風が吹くロケ地でも安心して手持ちで撮影に集中できた。低照度下でも手ブレを恐れずにガンガンと撮影できそうだ。

※編注:本記事では一般的な撮影状態での利用を念頭に置いているため、人物撮影にレフ版などは利用しておりません

(モデル:石川彩夏 オスカープロモーション)

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