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約4000万画素で記録するハイレゾショットの実力は――オリンパス「OM-D E-M5 Mark II」をチェックする(1/2 ページ)

オリンパスのミラーレス最新モデル「OM-D E-M5 Mark II」が登場した。ボディ内手ブレ補正を強化したほか、その応用として画素ずらしによって4000万画素相当を実現する新機能を搭載した。

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ピクセルシフトが生み出す高精細な表現力

 オリンパス「OM-D」シリーズは、フィルム時代の一眼レフを思わせるクラシックなデザインを取り入れたミラーレスカメラだ。2012年に第一弾「E-M5」を発売したあと、2013年に最上位機「E-M1」を、2014年に入門機「E-M10」を投入し、ユーザー層を広げてきた。

 今回登場したのは、E-M5の後継機にあたる「OM-D E-M5 Mark II」だ。約3年ぶりのモデルチェンジであり、同社自慢のボディ内手ブレ補正をさらに強力にするなど数々の改良を図っている。

OM-D E-M5 Mark II
オリンパス「OM-D E-M5 Mark II」

 まず注目したいのは「ハイレゾショット」と呼ばれる新機能だ。これは、0.5ピクセル単位でセンサーを8方向に動かしながら8回撮影したデータを元に、カメラ内で4000万画素相当の高画素データを作り出すもの。搭載センサーの有効画素数は1605万画素であり、その約2.5倍のデータが得られることになる。

 使い方は、カメラを三脚に固定した上で、ドライブモードからハイレゾショットを選択してシャッターボタンを押すだけ。すると、連写と画像処理が自動的に行われ、数秒の処理時間を経て高画素データが記録される。画質モードは、JPEGまたはJPEG+RAWに対応。JPEG+RAWを選んだ場合は、JPEGとハイレゾショットのRAWデータに加え、合成前のRAWデータ1枚も同時保存できる。

OM-D E-M5 Mark II
ドライブモードから「ハイレゾショット」を選択したところ。手ブレ補正機能は自動的にオフになる
OM-D E-M5 Mark II
ハイレゾショットで撮る際、シャッターの全押しから露光開始までの時間を0〜30秒の間で設定できる

 ハイレゾショットの画像サイズは、JPEGでは7296×5472ピクセル(約4000万画素相当)。ファイル容量は17〜20Mバイト程度になる。下の写真は、通常撮影とハイレゾショットを比較したもの。通常の撮影では十分に解像しきれない被写体のディテールまで克明に記録できていることが分かる。

OM-D E-M5 Mark II
通常撮影
OM-D E-M5 Mark II
ハイレゾショット(JPEG撮影)

 さらにRAWでは、9216×6912ピクセル(約6400万画素相当)という巨大なデータが得られる。ハイレゾショットのRAWは、同社が配布しているPhotoshopの専用プラグインを使って現像可能だ。

OM-D E-M5 Mark II
専用プラグイン「Olympus High Res Shot Raw File Photoshop Plug-in」の画面
OM-D E-M5 Mark II
ハイレゾショット(RAWから現像)

 ハイレゾショットで撮る際の注意点は、撮影中にカメラまたは被写体が動くと、動いた部分に縞状のパターンノイズが生じること。上の写真の細部を厳密にチェックすると、わずかではあるが雲の輪郭部分(上の端のほう)にノイズが見られる。屋外風景をハイレゾショットで撮る際は、雲の動きや風による草木の動きに気を付けるようにしたい。

 次の写真も、通常撮影とハイレゾショットを比較したもの。車のライトによる動きを避けるため、赤信号のタイミングで撮影した。こうした建造物は、ハイレゾショットが似合う被写体の1つといえる。

OM-D E-M5 Mark II
通常撮影
OM-D E-M5 Mark II
ハイレゾショット(JPEG撮影)
OM-D E-M5 Mark II
ハイレゾショット(RAWから現像)

 また、ハイレゾショットはストロボを使って撮ることも可能だ。同調速度は最高1/20秒とやや遅めだが、室内で静物を撮る際などに役立つだろう。ストロボは8回発光し、ストロボ充電の待ち時間は1〜30秒の間で設定できる。次のカットは、ストロボ撮影でハイレゾショットを試した写真だ。

OM-D E-M5 Mark II
通常撮影
OM-D E-M5 Mark II
ハイレゾショット(JPEG撮影)
OM-D E-M5 Mark II
ハイレゾショット(RAWから現像)

 静止した被写体に限るという制約はあるものの、ハッとするような高精細表現が楽しめるユニークな機能といっていい。

手持ちで楽しめる「OM-D MOVIE」を搭載

 もう1つの注目は、5軸対応のイメージセンサーシフト式手ブレ補正がいっそう強力になったこと。CIPA準拠による補正の効果はシャッター速度5段分。実写では、焦点距離80ミリ相当になる標準ズームのテレ端を使った場合、1/4秒の低速シャッターでもぶらさずに撮ることができた。

 さらに動画撮影では、この5軸手ブレ補正に加えて、電子式補正を併用できる。以下は、手持ちで歩きながら撮影した動画だ。

手持ちで撮影した動画

 動画関連の新機能では、「クリップス」が面白い。これは、撮影ボタンを押すと、あらかじめ設定した1/2/4/8秒の短い動画が撮影され、それをカメラ内でつなぎ合わせてBGM付きのショートムービーとして仕上げる機能だ。再生画面で順番の変更や静止画の追加ができ、出力の際にエフェクトを加えることができる。

 以下は、クリップスを使って16本の動画と1枚の写真を撮り、1本の作品として出力したもの。BGMには、同社のサイトからダウンロードした素材を使用した。

クリップスで作成した動画
OM-D E-M5 Mark II
手ブレ補正の設定画面。動画の補正は、5軸補正と電子補正を組み合わせたモード1と、5軸補正のみを行うモード2が選べる
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