マイクロフォーサーズを小さくまとめた“マウントだけカメラ”「OLYMPUS AIR A01」:アプリで進化するカメラ(1/3 ページ)
残念ながら発売の延期が発表されたが、オリンパスからスマホと連携して遊べる新世代カメラ「OLYMPUS AIR A01」が登場する。アプリやパーツの作成が可能なオープンプラットフォームカメラという位置付けだが、まずはカメラ機能をチェックしてみよう。
オリンパスイメージングから「マウントだけカメラ」が出る。「撮影に必要な最低限のハードウェアとWi-Fi」だけしか持たないミニマムなカメラ、「OLYMPUS AIR A01」だ。
2014年秋に出たソニーの「ILCE−QX1」とは、コンセプトに違いはあるけれども、基本的には似ている。小型のマウントサイズギリギリの円筒形ボディ。そこに好きなレンズを付け、スマホから操作する。
スマホの周辺機器として使えるカメラというか、スマホを従えて使うカメラというか、まあそういうカメラだ。
OLYMPUS AIRはオープンプラットフォームなカメラ
OLYMPUS AIR A01(以下AIR A01と呼ぶ)はこんな形をしている。
見ての通りのミニマムさ。本体の奥行きは約43ミリ。直径が約57ミリの円筒形で、本体にあるのは電源とシャッターボタン(それから電波のオン/オフスイッチ)のみ。
マウントはオリンパスなのでマイクロフォーサーズ。マイクロフォーサーズ用レンズがそのまま付けられる。レンズを装着したら、シャッターを押せばとりあえず撮れるが、普通はスマホとWi-Fiで接続してスマホから操作する。最小のマイクロフォーサーズ一眼だ。
ただし、オリンパスのマイクロフォーサーズ機でありながら、小型軽量化を優先したためか、ボディ内手ブレ補正は搭載されていない。これはちょっと困る。
何しろオリンパスのレンズはどれも手ブレ補正が付いていないのだ。ボディ側で補正するのが前提だから。だが危ぶむなかれ。そんなときは手ブレ補正機構を搭載したパナソニックのレンズを付けちゃえばいいのだ。
製品版でどうなるかはまだ分からないけれど、今回レビューした試作機では、手元にあるパナソニック製レンズの手ブレ補正は無事動作いたしましたという報告をしておく。
奥に見えるセンサーは1600万画素。メカシャッターは持たず、電子シャッターのみとなる。その辺はかなりシンプルだ。
背面には電波スイッチがある。これをオンにするとWi-Fiの電波が飛ぶようになり、スマホとつながる。これは使う前にオンにしておくこと。
スマホとはWi-Fiで接続する。が、この手のカメラで厄介なのは「Wi-Fi接続の手間」。本体の電源を入れて本体のWi-Fiが立ち上がってからおもむろにつながってたのだ。
そこでオリンパスは省電力Bluetoothを搭載した。長押しをして電源をきちんと切らない限り、カメラ内では常にBluetoothが起動しており、いわばスタンバイ状態になっている。スマホ側でアプリを起動すると、Bluetoothの電波が飛んできてカメラが瞬時に目覚め、Wi-Fiを起動してスマホとつながるのだ。
これによって、スマホとカメラの接続をスムーズにしてるし、カメラが多少離れたところにあっても(トリガーとなるのがBluetoothなのであまり遠いとだめだけど)、遠隔操作ですぐ眠ってるカメラを起こして撮影可能になるのだ。これはよい。
背面の蓋をカパッとはずすとその中にシリアル番号やQRコード、microSDカードスロットなどがあらわれる。
さてこのシンプルなマウントだけカメラAIR A01。一見、ソニーのレンズスタイルカメラ、QX1とそっくりだが、大きく違う点がある。それは始めから「オープンプラットフォーム」というところ。
オリンパスは2つの情報を公開することにしている。1つはAIR A01用のアプリを作るためのAPI。もう1つはAIR A01用アクセサリを作るための形状の情報だ。
例えば、AIR A01のお尻のマウント部の3Dデータが公開されているので、3Dプリンタを使えば自由にアタッチメントを作れる。また両側面にあるネジは外せるので、これを利用してカメラを固定するためのマウントを作ったり、ここにストラップをぶら下げるための金具を付けたりしてもいい。
ただし、データがあったからといって誰もがすぐアクセサリをデザインして3Dプリンタで出力できるわけじゃないし、APIがあったからといって誰もがすぐアプリを作れるわけじゃない。その辺は、AIR A01が発売され、あれこれいじって楽しみたい人たちの手に渡ってからのこととなろう。
今回は、いちカメラユーザーから見た、小型軽量ミニマムなカメラとして紹介する。
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