コンパクトなボディにX-T1の性能を凝縮――「FUJIFILM X-T10」6月25日発売
「FUJIFILM X」のフラッグシップモデル、「X-T1」の機能の多くを継承しつつ、コンパクトな新デザインを採用したミラーレス一眼「FUJIFILM X-T10」が登場した。
富士フイルムが5月18日、リアルタイムビューファインダーや動体撮影に強い新AFシステムを搭載した小型軽量ボディのミラーレス一眼「FUJIFILM X-T10」を発表した。6月25日から販売を開始する。価格はオープンプライス。実売予想価格は、X-T10のボディが9万円前後(税別)、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISが付属するレンズキットが12万円前後(税別)。
最大の特徴は、防じん防滴仕様ではないが、X-T1からぐっと小型化したボディ。手になじむ形状のグリップを装備しつつ、ボディの軽量化も果たしている。天面にシャッタースピードや露出補正、ドライブモードを変更できる3つのダイヤルを備え、2つのコマンドダイヤルと7つのファンクションボタンを搭載するなど、クラシックカメラをほうふつとさせる、ダイヤル中心の分かりやすい操作性は継承する。レバー操作で簡単にフルオートに切り換え可能な「オートモード切換レバー」を用意しており、撮影を人に頼むときや、とっさに写真を撮りたいときなどには瞬時にフルオートに切り替えられる。
またAPS-Cサイズの1630万画素センサー、X-Trans CMOS IIと、画像処理エンジンのEXR プロセッサーIIの組み合わせはX-T1と同じで、Xシリーズの写真画質を備える。レンズ毎の光学性能や特性を元に、回折現象などの光学的影響を補正する「点像復元処理」を備え、画面上のすみずみまでシャープな写真が得られるのも特徴だ。
AFシステムは、先日X-T1向けのアップデートが発表されたものと同じで、全49点のフォーカスエリアから任意に選択した1エリアでピントを合わせる「シングルポイント」モードと、全77点のフォーカスエリアを用いて、動いている被写体を捉える「ゾーン」モード、「ワイド/トラッキング」モードが利用可能だ。
シングルポイントモードのAFは、フォーカスエリアを従来より細かく分割し、高精度なピント合わせが可能になっている。像面位相差AFの明るさ追従範囲も、従来の2.5EVから0.5EVになり、より暗いシーンやコントラストの低い被写体でも、位相差AFによるピント合わせができる。瞳を自動検出する「瞳AF」も備えたほか、近距離の被写体では自動でマクロモードに切り替わる「オートマクロ」も対応している。起動時間は0.5秒、シャッタータイムラグ0.05 秒、撮影間隔0.5秒と動作も軽快だ。
チルト式の液晶モニターは92万ピクセルと心持ちドットが少なめだが、電子ビューファインダーの画素数は約236万ピクセルでX-T1と同等(表示倍率はX-T1が0.77倍に対してX-T10は0.62倍と若干小さい)。表示タイムラグが0.005秒と非常に短い、リアルタイム・ビューファインダーは、レンズの光軸上に配置されている。
フィルムシミュレーションやアドバンストフィルター、多重露出、最速1/32000秒の電子シャッターなど、多彩な撮影機能を用意したほか、最大60fpsのフルHD動画撮影やスマートフォンなどからリモートで撮影する機能なども用意している。
外形寸法は幅118.4×高さ82.8×奥行き40.8ミリ(奥行き最薄部31.9ミリ)、重さは約381グラム(付属バッテリー、メモリーカード含む)。標準撮影毎数は350枚。
関連記事
- 「FUJIFILM X-T1」に新AFシステムや操作性の向上をもたらすファームウェア、Ver.4.00を提供
富士フイルムが、「FUJIFILM X-T1」「FUJIFILM X-T1 Graphite Silver Edition」向けに、AF機能の強化や操作性の向上をもたらす新ファームウェアを提供すると発表した。 - 自撮りも風景も“寄り”の写真も――「FUJIFILM X-A2」ダブルズームキットで撮り歩く
エントリークラスのミラーレス一眼「FUJIFILM X-A2」は、クラシカルなデザインや富士フイルムならではのフィルムシミュレーションなどを踏襲しつつ、購入しやすい価格と軽量なボディを実現したモデル。ライトな写真愛好家に向いた製品だ。 - AF性能を大幅に向上、自撮りにも対応したしたミラーレスカメラ「FUJIFILM X-A2」
富士フイルムが、「FUJIFILM Xシリーズ」の新モデルとして、「FUJIFILM X-A2」を発表した。販売は2月26日から。 - 「FUJIFILM X-T1」と好きなレンズが借りられる、富士フイルムサービスステーションへ行ってみた
富士フイルムがサービスステーションで実施しているレンタルサービスをご存じだろうか。FUJIFILM X-T1のボディと、主要なXマウントレンズを借りて試すことができる。当日返却なら無料で利用できるこのサービス、気になる製品があるなら利用しない手はない。 - 富士フイルムこだわりの新色「X-T1 グラファイトシルバー エディション」
FUJIFILM Xシリーズのフラッグシップモデル、X-T1に新色のグラファイトシルバーが登場。単なるシルバーではない、こだわりの色だという。 - 防塵防滴システムで撮る海と水着と動物――「FUJIFILM X-T1」×「XF18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR」
人であふれる夏の海は、水しぶきや砂ボコリ、したたる汗などカメラやレンズにとっては最悪の条件。そんな場所でも活躍してくれるのは、防塵防滴に対応したカメラとレンズの組み合わせだ。 - 水しぶきも気にせずオールマイティーに撮る――「フジノンレンズ XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR」
「FUJIFILM X」シリーズ用としては初の防塵防滴仕様を持つこのレンズは、「FUJIFILM X-T1」と組み合わせると、ダストや水しぶきなどを気にせずに撮影できる。ブラリと出かける旅にも向いている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.