「BRレンズ」で高画質化を果たした大口径単焦点「EF35mm F1.4 L II USM」
キヤノンが、大口径広角単焦点レンズ「EF35mm F1.4 L II USM」を発表。新たな特殊光学材料を利用した色収差補正により、中心部から周辺まで非常に緻密な描写が可能な、解像度の高いレンズだ。
キヤノンの定番広角単焦点レンズ「EF35mm F1.4 L USM」は、根強い人気がある一方で、発売から10年以上が経過しており、最近の高画素なセンサーを搭載したボディとの組み合わせでは、描写に甘さを感じるシーンもあり、後継機の登場を待ち望む声も多かった。その声に応えるため、新開発の光学素子「BRレンズ」を採用し、圧倒的な高画質を実現したのが「EF35mm F1.4 L II USM」だ。2015年10月中旬に発売予定で、希望小売価格は28万5000円。
EF35mm F1.4 L II USMは、「EF35mm F1.4L USM」の後継モデルとなる広角単焦点レンズ。すでに他社から高画質なレンズが発売されていることなどもかんがみ、光の青色成分をより大きく屈折させる特性を持つ新しい光学素子「BRレンズ」を採用して、絞り開放から圧倒的に高い描写性能を実現したのが特徴だ。2枚の非球面レンズとUDレンズも活用し画面中心から周辺部まで、高い解像力を持つ。
BR(Blue Spectrum Refractive Optics)レンズは、ガラス材料とは異なる高分散かつ異常分散特性によって色収差の補正を行う樹脂製のレンズで、これまで一点に集光させるのが難しかった青色の光を補正で、色のにじみを大幅に低減できる。画面周辺部のサジタルハロも大幅に抑制しており、星景写真の撮影などでも威力を発揮する。
高い反射防止効果を持つSWCにより、フレアやゴーストも大きく抑制。前玉と後玉にはフッ素コーティングも施して水分や油分も簡単に拭き落とせる。
新レンズを搭載し、高画質化した一方で、全長は105.5ミリと、EF35mm F1.4 L USMの86ミリからだいぶ長くなっており、重量も580グラムから760グラムに増加した。最大径は80.4ミリ。最短撮影距離は0.28ミリ、最大撮影倍率は0.21倍。レンズフードは花形のEW-77Bが同梱される。
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