デュアル手ブレ補正と進化した4K PHOTOに注目せよ――パナソニック「LUMIX DMC-GX8」(1/3 ページ)
パナソニックのミラーレス一眼のラインアップに、高機能モデル「GX8」が加わった。中上級者向けの、趣味性が高いカメラに仕上がっている。
2015年のパナソニックはエントリーから中級クラスのミラーレス一眼を次々とリニューアルしてきた。「LUMIX DMC-GF7」も「LUMIX DMC-G7」も2年ぶりのモデルチェンジ。そして第3弾がこちらも2年ぶりとなる「DMC-GX8」だ。攻めの年らしい。特に4K動画と4K PHOTOが全モデルに搭載されたのがポイントなんだろうな。
で、GX8の前モデルである「DMC-GX7」だが、2つの点で異色なLUMIXだった。1つは手ブレ補正をレンズが担ってきたLUMIXでは初のボディ内手ブレ補正搭載。もう1つは初代の「DMC-G1」から受け継がれた、バリアングル式モニターではなく、チルト式モニターを採用したこと。
GX8はチルト式からバリアングル式に変更されたものの(個人的にはちょっと残念)、GX7のコンセプトを受け継ぎつつ、より高性能に進化してきた。
操作系の進化とデュアル手ブレ補正と4K動画回りに注目である。
デュアル手ブレ補正と20Mの新型センサー
「ストリートフォト一眼」とキャッチコピーがついたGX8。
ただボディはちょいと大きめ。手にしたとき「あれ? 思ったより大きい」と感じたので、GX7と比べてみた。補助線を引いて分かりやすくしてある。
しかも、内蔵フラッシュもなくなった。GX7とは大きく変わったフルモデルチェンジなのだ。
じゃあでかくて使いづらくなったかというと、そうでもなく、携帯性は落ちたが使い勝手は上がったという印象だ。EVFは大きく見やすくなったし(倍率が上がった)、チルト部の動きもしっかりしてむやみに傾かなくなった。
液晶モニターはチルト式からバリアングル式に。バリアングル式は不便な点もあるが、縦位置ローアングルをさっと撮れるのがメリット。せっかくなので撮ってみた。
せっかくのバリアングルなので縦位置ローアングル写真を。オート(F3.5、1/100秒)、ISO200、レンズ:LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.、焦点距離:14mm
内蔵フラッシュがあったスペースには露出補正ダイヤルや電子ダイヤルが追加され、カスタマイズ可能なFnキーも山ほど増えた。
背面のボタン配置にも余裕ができた。グリップもしっかりして構えたときの安定感も増している。これは素晴らしい。
操作系で注目は後ろ後ろ電子ダイヤル中央にあるFn13ボタン。これを押すと前後のダイヤルがホワイトバランスとISO感度に切り替わる。オリンパスの「OM-D」シリーズと似た使い勝手だ。
モニターは他のLUMIXと同様タッチパネル対応でタッチAFも可。しかもAF枠のサイズも柔軟に変えられるし、グループ指定もできる。
AFは特に文句もなく速くて快適。この空間認識AFはコントラストAFでは最速の部類に入るといっていい。秀逸なのはタッチパッドAF。ファインダーを覗いた状態でモニターをタッチパッドとして使えるので、右手親指でモニターをなでればAF枠が動くのだ。
ただし、モニターが裏を向いてたらダメ。バリアングルモニターってモニターを開いて撮影したあとそのままパタンと閉じると裏を向いてしまう。そのままタッチパッドAFしようと思って裏を撫でてしまうミスがけっこうあるのだ。
(モデル:伊藤千晶 オスカープロモーション)
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