スナップ、ポートレート、風景と幅広く使える――富士フイルム「XF35mmF2 R WR」:交換レンズ百景
35ミリ判換算で約53ミリの焦点距離を持ち、オールマイティーに使える「XF35mmF2 R WR」は、軽量コンパクトでフットワークよく撮影できるレンズだ。ポートレートレンズとしても優秀である。
美しい写りで定評のある富士フイルム フジノンレンズXFシリーズに新しい35ミリが加わった。この「XF35mmF2 R WR」はコンパクトながらキレのある描写で、防じん防滴耐低温構造を持つ使いやすいレンズであった。
6群9枚中非球面レンズを2枚配した構造で、コンパクトかつ軽量化を実現。人気の「FUJIFILM X-T10」に装着してもバランスが良く、軽快なフットワークで街中を撮影できた。写りも開放からとても安定していて、常用レンズとしてもお勧めできるレンズに仕上がっている。金属製外装でルックスも端正だし、初めて買う単焦点レンズとしてもいいだろう。絞りリングの節度感もカチカチと確実に動作し、所有欲を満たしてくれることも間違いない。それでいて防じん防滴耐低温構造だというのだからスペック的に申し分ないではないか。フジノンレンズのラインアップには「XF35mmF1.4 R」という明るさを誇るレンズもあるが、軽量コンパクトな新しいこのレンズを一度試してみるのもいいだろう。
35ミリ判換算約53ミリとなる焦点距離はオールマイティーで使いやすい。スナップからポートレート、風景など幅広く使うことができる。干し柿の微妙な色再現と品のあるボケが魅力的だ。
このレンズの最短撮影距離は35センチ。ググッと被写体に寄って絞りを開けてやれば、スムーズで連続感のあるボケを楽しむことが可能だ。
コンパクトで軽いので常用レンズとしてもお勧めである。X-T10をフルオートモードにして街をブラブラと歩き、気になったものを軽快にスナップしてみよう。オートフォーカスも高速なので、狙ったシーンを撮影することができるだろう。
ポートレートレンズとしても優秀だ。見た目に近い写りなので、自然な描写で人物を表現することができる。モデルに威圧感を与えないデザインも自然な表情を撮るのにいいかもしれない。
富士フイルムのカメラとレンズは女性の撮影に定評があるが、X-T10とこのレンズの組み合わせも素晴らしかった。モデルの肌の質感、髪の毛の精細感、そして上質なボケと色あいがなかなかだ。
進化したオートフォーカス性能を持つX-T1やX-T10とこのレンズを組み合わせれば、動いているモデルを撮るのも楽チンだ。表情をEVF越しに確認しながらテンポ良くシャッターが切れるのがうれしい。絞って被写界深度も利用するといい。
絞り開放でモデルの瞳を狙う。キレと柔らかさが同居するこのレンズはとても魅力的だ。
明るく軽量コンパクトで、なおかつ開放から安定した描写のこのレンズは、全てのXマウントユーザーに試してもらいたい1本に仕上がっていると思う。
(モデル:沖本光希 オスカープロモーション)
※編注:本記事では一般的な撮影状態での利用を念頭に置いているため、人物撮影にレフ版などは利用していません
関連商品
関連記事
- 「FUJIFILM X-T10」のレンズ選び 広角単焦点レンズ編
初心者にも扱いやすい軽量コンパクトなミラーレス一眼「FUJIFILM X-T10」。だいぶ使い慣れてきて、一つ上のレンズを求めるようになった人に最適なレンズを考えたい。 - 豊かな描写を見せる中望遠レンズ――富士フイルム「XF90mm F2 R LM WR」
富士フイルムのXレンズラインアップでは5本目の「WR」レンズとなる「XF90mm F2 R LM WR」は、ポートレートから風景まで、幅広いジャンルで活躍する中望遠レンズだ。 - 富士フイルムが「XF35mmF2 R WR」と1.4倍テレコンバーターを発売
富士フイルムが、レンズロードマップで発表していた「XF35mmF2 R WR」と「テレコンバーター XF1.4X TC WR」を発表。11月19日に発売する。 - コンパクトなボディの操作性のよさはX-T1以上 「FUJIFILM X-T10」で撮り歩く
「FUJIFILM X-T1」のDNAを受け継ぐコンパクトなミラーレス一眼「FUJIFILM X-T10」。6月25日の発売を前に、いろいろなXFレンズと組み合わせて撮る機会に恵まれたので、その使用感をお届けしよう。 - Xマウントユーザーなら避けて通れない大口径望遠ズーム――富士フイルム「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」
富士フイルムから登場した、F2.8通しの望遠ズームレンズ「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」は、フルサイズ一眼の70−200mm F2.8クラスに相当する大口径ズームだ。コンパクトで取り回しのいいこのレンズ、Xマウントユーザーなら押さえておきたい1本だ。 - 水しぶきも気にせずオールマイティーに撮る――「フジノンレンズ XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR」
「FUJIFILM X」シリーズ用としては初の防塵防滴仕様を持つこのレンズは、「FUJIFILM X-T1」と組み合わせると、ダストや水しぶきなどを気にせずに撮影できる。ブラリと出かける旅にも向いている。 - 手にしない理由があるのか――富士フイルム「XF56mmF1.2 R」
Xマウントの大口径単焦点レンズに待望の中望遠が登場した。特にポートレートにはベストマッチで肌の質感と髪の毛の繊細な表現を楽しめる。開放から使えるポートレートレンズを探しているXシリーズユーザーならば、手にしない理由はない。 - 立体感が引き立つアポダイゼーションフィルターの魅力――富士フイルム「XF56mmF1.2 R APD」
ポートレート向きの中望遠レンズ「XF56mmF1.2 R」に、世界初のAF対応アポダイゼーションフィルターを内蔵した「XF56mmF1.2 R APD」という姉妹モデルが登場した。立体感がググッと引き立ち、背景は空間に自然に溶け込んでいくような描写が得られる。 - 広大さと遠近感を楽しめる、F4通しの手ブレ補正付き広角ズーム――富士フイルム「XF10-24mmF4 R OIS」
広角レンズは風景だけではなく、室内でも役に立つ。暗い室内なら手ブレ補正があるとうれしい。そんな「XF10-24mmF4 R OIS」は撮る気にさせる「何か」も秘めた広角ズームだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.