ハイエンドコンデジの全機能全部入りに迫る本格派――キヤノン「PowerShot G5 X」(2/2 ページ)
キヤノンのPowerShot Gシリーズでは唯一のEVF内蔵モデルとなる「PowerShot G5 X」。ハイエンドコンデジに求められる機能をしっかりと押さえ、今後の定番モデルとなりそうな製品だ。
1型センサーならではの安心して使える高画質
画質や撮影モードは基本的にG7 Xと同じ。望遠端でもF2.8を維持するレンズは明るくて非常に扱いやすいし、オートNDフィルターのおかげで快晴下で絞り開放でも露出オーバーにならずに済むのはよい。
気になったのはAF周り。G7 Xもそうだったが、フォーカスが後ろに抜けちゃうことがある、少し暗いとAFに時間がかかるなど、ハイエンド機としてはもうちょっとがんばってほしい面はある。
AFをマクロモードにすると遠距離にフォーカスが合わなくなる(近距離専門となる)のも、最近はシームレスマクロ(なお、オート時はシームレスマクロになる)やマクロモード時は近距離から無限遠までフォーカスが合う機種がほとんどのため気になった。
が、普段の利用ではほとんど問題なく、画質面も安定していてかなり快適に使える。撮影モードでは、3枚連写した上で画像を見て、エフェクトを変えた5枚を追加で自動生成してくれる「クリエイティブショット」など多くの機能を備えている。
何げなく注目すべきは今回からUSB充電が可能になったこと。製品には従来通りの充電器が同梱されるが、本体のmicroUSB端子にUSBケーブルを接続し、USB出力のACアダプターにつないでやればUSB充電が可能だ。
手元のいくつかのACアダプターやモバイルバッテリーを試してみたところ、うまくいくものといかないもの(同じUSB出力といっても出力電流が製品によって異なるため)があったため、あらかじめ動作チェックは欠かせないが、モバイルバッテリーや市販のACアダプターを使って充電できるのは旅行時にうれしい。
個人的にはEVF搭載機が中核モデルとして出てきたのは非常にうれしい。コンパクトだし機能的にも非の打ち所はないしで、高画質なコンパクトデジカメが欲しいと思ったら、第一候補に挙げていい。
その上で「でももっと望遠が欲しい」と思ったらG3 Xがあるし、「でも、もっとコンパクトなのがいい」と思ったら「G7 X」や「G9 X」があるわけで、5兄弟ラインアップはなかなか強力である。
PowerShot G5 Xで撮影した作例
ハイコントラストでディテールもシャープで印象的な写り。
絞り優先モードで中望遠域でポートレート。ISO125に固定してF2.8。暗い場所だったが手ブレ補正が効いたおかげでなんとかブレずにすんだ。
絞り優先モードで半逆光のポートレート。フラッシュを強制発光してみた。
せっかくのバリアングルモニターなので、思い切って縦位置ローアングル撮影を。こういうのをさっと撮れる。ISO250に上がったのは、自動的にダイナミックレンジ補正が働いたからだ。
クリエイティブショットで撮影したポートレートのうちの1枚。顔を検出するとそれに合わせたエフェクトをかけてくれる。
こちらがエフェクト込みの6枚(の縮小画像)
屋上の庭園で。コントラストが高い場所でもうまく対応してくれた。
走ってくる井の頭線を。
見ての通りラーメン。フォーカス位置はタッチで合わせた。ホワイトバランスもボケ具合も露出もいい感じ。
AFをマクロモードにして絞り優先で。背景のボケが柔らかくてよい。
なぜか消化器ボックスの上に置かれていた一足の靴。望遠端の絞り開放で。
夜、お店の隅に(インテリアとして)洋書が積み上げられていたので望遠で寄ってみた。暗い店でもこれだけディテールがしっかり撮れて手ブレしてないというのは素晴らしい。
高コントラストの被写体で暗部補正とダイナミックレンジ補正の効果を見てみた。オートではダイナミックレンジ補正が自動的に働いてISO250に上がったが、その分白飛びが軽減されているのが分かる。
(モデル:沖本光希 オスカープロモーション)
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