手ブレ補正付き大口径ズームで撮る東京の紅葉――ニコン「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」:交換レンズ百景(1/2 ページ)
全域F2.8通しの標準ズームといえば、光学メーカーにとっては自社ブランドを代表する顔であり、看板のような存在だ。ニコンの新しい看板レンズを使って東京の紅葉を撮ってみた。
2つの働きを兼ねたED非球面レンズを初搭載
ニコン「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」は、フルサイズ対応の大口径標準ズームだ。全域F2.8の同社製標準ズームといえば、2007年に「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」を発売しているが、そのレンズ構成をリニューアルし、画質と操作性を一層高めたのが本レンズである。発売は10月。希望小売価格は31万500円(税込)となる。
一番の注目点は、35ミリフルサイズに対応したF2.8通しの同社製標準ズームでは初めて、手ブレ補正機構「VR」を搭載したこと。レンズ側面のスイッチでノーマルとアクティブの2モードを選択でき、ノーマルモードでの補正効果は4段となる。試用では、焦点距離70ミリ側でシャッター速度1/8秒で撮影した場合、約8割のカットをブレさせずに撮影できた。
レンズ構成は16群20枚。EDレンズや非球面レンズ、高屈折率レンズに加え、「ED非球面レンズ」をNIKKOR製品では初採用したこともトピックだ。これは、EDガラスによって色収差を抑えつつ、非球面レンズによって球面収差や歪曲収差、コマ収差などを低減できる新開発のレンズである。これによって画質を高めつつ、レンズの小型化に貢献しているとのこと。
その他、高速連写時の露出制御を安定させる電磁絞り機構の搭載や、汚れが付着しにくいフッ素コートの採用、AFの速度と精度の向上、付属フードの小型化などを図っている。
そんな最新技術が詰め込まれた新レンズAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRを持って、まずは紅葉が見ごろを迎えた都内の公園を訪れた。最初の写真は、モミジの鮮やかさが引き立つように逆光のカメラポジションから捉えた午後の1コマだ。合焦部分はシャープに解像し、奥行きを感じさせる写りが得られた。
次も同じく逆光を利用して葉の色合いを強調した。ホワイトバランスは曇天に、コントラストはプラス側にそれぞれ設定。絞りは開放値のF2.8を選ぶことで背景をぼかし、主題となる紅葉のみを際立たせた。
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