ニコン「D5」を正式発表 3月に発売
ニコンがプロ向けデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデル「D5」を正式に発表した。3月に発売を予定している。2082万画素のCMOセンサーを搭載し、AFシステムは全面刷新している。
ニコンイメージングジャパンは1月6日、米国で開催中の家電展示会「CES 2016」で、プロフェッショナルユーザー向けのFXフォーマットフラッグシップモデル「D5」を正式に発表した。開発発表は2016年11月18日に行っているが、正式なスペックや販売時期などが明らかにされている。ボディは対応メモリカードの違いによりXQD-TypeとCF-Typeが用意される。価格はオープンプライス。実売価格は75万円前後(税込)になるという。
D5は、現行のプロ向け最上位モデル「D4S」の後継モデルにあたり、FXフォーマットの有効約2082万画素CMOSセンサー(35.9×23.9ミリ)を搭載する。新開発の「マルチCAM 20Kオートフォーカスセンサーモジュール」を搭載するなど、AFシステム全体を刷新。153点のAFポイントを備え、そのうち中央部と周辺部の99点はクロスセンサーとするなど、被写体を素早く捉えられる性能を実現した。また中央のAFポイントで−4EV、その他のAFポイントは−3EVを実現しており、輝度が低い環境や、コントラストの低い被写体でもAFが利用できる。テレコンバーター使用時にも、合成F値が5.6までなら、153点すべてのフォーカスポイントでAFが使えるという。
またすべての画質モード、すべてのISO感度域で、約12コマ/秒(AF・AE追従)の高速連続撮影を実現。14ビット記録のロスレス圧縮RAWでも、最大200コマまで連続撮影ができる処理性能を備える。ミラー駆動機構は新開発し、像消失時間を大幅に短縮。ファインダー像の連続性を確保しつつ、像のブレも軽減している。
画像処理エンジンは「EXPEED 5」で、新開発のFXフォーマットCMOSセンサーとの組み合わせにより常用感度がISO102400まで上げられる。設定により、ISO3280000相当(Hi 5)までの増感も可能だ。
動画撮影機能として、4K UHD(3840×2160)動画の撮影にも新たに対応。30p/25p/24p映像をボディー内のメモリカードに記録できるほか、非圧縮映像をHDMI出力し、外部モニターや外部レコーダーへ出力することもできる。
背面の3.2型モニター(約236万ピクセル)は、タッチパネルを搭載。内蔵有線LAN、ワイヤレストランスミッター「WT-6」(別売)を併用した場合の無線LANの通信速度を、D4S比で2倍以上に向上させた。メモリカードはXQDもしくはCFどちらかを選ぶようになっており、スロットは2枚差せるダブル仕様となっている。
外形寸法は約160×158.5×92ミリ、重さはXQDカード対応機種が約1405グラム、CFカード対応機種が約1415グラム(バッテリーおよびメモリカード2枚を含む、ボディーキャップ、アクセサリーシューカバーを除く)。
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