ソニー「Cyber-shot DSC-HX5V」(レビュー:GPSにフルHD、便利で楽しいお出かけカメラ「DSC-HX5V」)は、25〜250ミリ相当(35ミリ換算)の光学10倍ズームを搭載したコンパクトデジカメだ。ポケットに収まる小型ボディでありながら、フルハイビジョンのAVCHD動画に対応し、さらには手ブレ補正のアクティブモードや、GPS、電子コンパス、高速連写、スイングパノラマ、逆光補正HDR、手持ち夜景、近接無線「TransferJet」対応などなど、見どころ満載のカメラである。
そのDSC-HX5Vの商品企画を担当したソニー PI&S事業本部 商品企画2部 1課 伊藤玲子氏と、電気設計のリーダーを担当した同社 PI&S事業本部 イメージング第2事業部 商品設計部 2課 蒲原崇之氏に、開発の経緯や狙いを聞いてみた。
――DSC-HX5Vの開発の狙いはなんでしょう
伊藤氏: 最近のデジカメ市場は、高倍率ズーム機が非常に伸びています。これまでに光学3〜4倍のズーム機を使っていた方が、買い替えや買い増しの際に、より高倍率のズーム搭載機をお求めになる傾向があるようです。
また、動画に対するユーザーの意識の変化ということにも着目しました。地デジの普及などによって、ハイビジョンの動画を特別なものではなく、ごく普通の感覚でとらえる人が増えています。高画質の動画に対するハードルが下がったともいえますし、ユーザーの目が肥えてきたともいえます。そんな中、小さくて軽いコンパクトデジカメでありながら、高倍率のズームレンズを搭載し、なおかつ高画質のフルハイビジョン動画が撮れるモデルとしてDSC-HX5Vを企画しました。
――DSC-HX5Vの利用シーンやユーザー層は、ビデオカメラ“ハンディカム”と重なりませんか?
伊藤氏: 例えば運動会やスポーツイベントといった大きなイベントでは、今までと同じくハンディカムを使いたいと感じるユーザーの方はたくさんいらっしゃると思います。しかし、もしハンディカムは重くてかさばる、持ち出すの面倒に感じる人がいるとすれば、そんな人には、より気軽によりライトに使えるDSC-HX5Vをお勧めします。
――DSC-HX5Vの動画とハンディカムの動画では、画質や操作性にどんな違いがありますか?
伊藤氏: 動画の画作りの傾向は、まったく同じではありませんが、似せているといえます。機能的には、ハンディカムで好評を得ている手ブレ補正のアクティブモードを、DSC-HX5Vにも採用しています。通常よりも補正量が多くなるアクティブモードは、ズームのワイド側で歩き撮りをする時などに役立ちます。ただし、今春のハンディカムでは3軸(縦/横/回転)対応のアクティブモードですが、DSC-HX5Vでは、昨年のハンディカムと同じ2軸(縦/横)対応のアクティブモードになります。
蒲原氏: 動画が主体のハンディカムと、静止画が主体のDSC-HX5Vとでは、レンズやボディの構造が大きく異なります。静止画の場合は、じっと見つめた時に画が美しく見えるように設計していますが、動画の場合は、動いている画として求められる画質のレベルをクリアした上で、設計の自由度のリソースをズーム倍率やフォーカス制御といった他の部分に向けています。そのため、条件が整ったシーンであれば、画質やスピードはどちらもほぼ変わらないレベルになりますが、細かい部分を見れば、やはり静止画は静止画の専用機に、動画は動画の専用機にそれぞれ優位性があります。
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