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後悔しない「ミラーレス一眼」の選び方(1/3 ページ)

» 2010年06月09日 10時27分 公開
[ITmedia]
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 ソニー「NEX」の登場もあり、夏商戦に向けて「ミラーレス」と呼ばれるデジタルカメラのラインアップが豊富になってきた。ミラーレス一眼の特徴と各製品のポイントを確認しておこう。

※2011年のミラーレスカメラ一覧記事はこちら(2011年夏、最新ミラーレス記事一覧)を参照ください。

photo ソニーのミラーレス一眼 「NEX-3」(写真=左)、「NEX-5」(写真=右)

そもそも「ミラーレス」って?

 いわゆる「一眼レフ」はレンズから入った光を、ミラーやプリズムでファインダーとフィルム(デジタルカメラ一眼レフならば撮像素子)へと振り分ける構造をもったカメラを指すが、このミラーを持たない構造が「ミラーレス」だ。レンズから入った光を振り分ける機構を持たないため、撮像素子に写った光は、電気的な処理にて電子ファインダーあるいは背面液晶へ映し出される。

 レンズ交換ができるカメラがイコール一眼と思われることがあるが、これは誤り。「一眼」とは撮影用のレンズがファインダー用レンズを兼ねた構造を指しており、レンズ交換式を指す言葉ではない。撮影用レンズとファインダー用レンズを分離した二眼レフというカメラもある。一般に「ミラーレス一眼」と言う場合、「ミラーボックスを搭載しない、レンズ交換式デジタルカメラ」という理解をすればいい。

photophoto デジタル一眼レフ「D80」とミラーレス一眼「DMC-GF1」のレンズを外したところ。D80ではレンズから入った光をファインダーへ導くミラーが見えるが、DMC-GF1にはミラーがない

 ミラーレス構造を採用するカメラの最大のメリットは、ミラーという部品を省くことによるボディの小型軽量化だ。特に奥行き(厚み)の削減には大きな貢献を果たしており、パナソニック「DMC-GF1」は36.3ミリ(突起部除く)、ソニー「NEX-3」では厚さは33.4ミリ(同)とほぼコンパクトデジカメなみのスリムさを実現している。

photo モデルが手にしているのはオリンパス「E-P2」

 コンパクトなボディに大型センサーの搭載をしたこともミラーレス機の特徴といえる。少数の例外を除き、これまで「デジタル一眼レフ」サイズのボディにしか搭載されてこなかったフォーサーズ(約17.3×13ミリ)やAPS-C(約23×15ミリ)といったサイズの大型センサーがコンパクトなボディに搭載されている。

 大型センサーは高画質とよく言われるが、それはなぜか。画素数が同じでセンサーサイズが異なる場合、撮像素子のサイズ(面積)が大きな方が素子1つあたりの受光面積が広くなる。そのため、大型センサーを搭載したカメラには、色調や階調の再現性に優れる、高感度撮影時の画質低下を軽減できるなどのメリットが期待できる。

 センサーサイズが大きなことに起因する、“ボケ”の生かしやすさも特徴として挙げられるだろう。最近ではコンパクトデジカメでもボケ味を生かした撮影が行える製品が増えているが、センサーサイズが大きな方が同じ画角(写る範囲)でのレンズの焦点距離が長くなり、被写体深度は浅くなる。つまり、画角や焦点距離、絞りなどの値が同一ならばセンサーサイズの大きな方がボケ量が多くなり、ボケをいかした撮影がしやすくなる。

photo ソニー「NEX」は背景ぼかしが背面ダイヤルで容易に操作できる

 ボディが小さく、センサーが大きく、ボケを楽しみやすい――。ミラーレス一眼は、高画質でボケを楽しめるけれど大きくて重いデジタル一眼レフと、小型軽量で携帯性に優れるもののボケ味などの画質面で不満の残ることが多かったコンパクトデジカメの中間に位置する製品といえる。

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