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第131回 夏と花火と距離の関係今日から始めるデジカメ撮影術(1/4 ページ)

» 2010年08月12日 11時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 7〜8月は花火の季節。この記事が掲載されるころには、もう花火大会の半分くらいは終わっちゃってるけど、そこはご勘弁ということで、打ち上げ花火を撮る話だ。

 今回は、近くで撮る花火、遠くから撮る花火、動画で撮る花火の3本で。

近くで撮る花火

 打ち上げ花火を撮る一番大事なポイントは「場所の確保」。

 大きな花火大会を近くで撮ろうと思うと、まぁだいたい、お昼過ぎから場所を確保しないと無理。近所に場所を確保してくれる友達がいると最高に幸せである。

 といっても近すぎると逆に難しい。打ち上げ場所から300〜500メートル程度がいい。このくらいなら望遠レンズはいらない。普通の28〜55ミリ相当のレンズで十分撮れる。

5発同時花火。近いので28ミリ相当でほどよく撮れる。シャッタースピードは1秒

 次に大事なのは装備。三脚は欠かせない。近くで撮るときは三脚を高くする必要がないので(というか、大勢が座っている場所でそれをやると迷惑)、そう大きなモノじゃなくていい。

 次はカメラ。今回はデジタル一眼のパナソニック“LUMIX”「DMC-GH1」(以下、GH1)を使った。理由は……楽だから。液晶モニタを回転させられるので、座ったまま画面を確認できる。これは楽。極端な話、肉眼で花火を見ながら適当にシャッターだけ押してても撮れるから。

 カメラはなんでもいいが、できれば完全なマニュアル撮影ができるものがいい。さらにリモートレリーズを使えるともっといい。ワイヤレスでもワイヤードでもいい。カメラに触れないで撮れると、その分ブレる確率も減るし、楽チンである。

 あとは座って待つだけだが、その前にカメラのセッティング。

 ISO感度は一番低い所に。ISO100があればそれを。絞りはF8〜11あたりがおすすめ。フォーカスはマニュアルで。まずは100メートル以上の距離にあるものにAFでピントを合わせ、そこでMFに切り替えてフォーカス位置を固定するのがいい。都会の花火なら、遠くにビルの灯りやなにやらが見えるはずなので、それにいったん合わせればOKだ。

 ただ、ズーミングしたときはピントを合わせ直すこと。ズレちゃうから。

よく見るとピンボケ。ズーミングしたらピントを合わせ直すこと。ただ、花火は明るいので、1発見送って、花火にピントを合わせちゃうのもできないことはない。

 注意事項はこのくらいか。あ、レンズにフィルタを付けてるなら外した方がいい。しっかりした三脚につけるなら、手ブレ補正はオフにするのがいいけれども、そこまで厳密に考えなくていいかも。

 シャッタースピードは「バルブ」で。押している間だけシャッターが開く機能で、実際の花火を見ながら調節できるのがいい。なぜバルブがいいか。それは花火によって明るさが全然違うからだ。ひとつひとつは明るくなくても連続でバババッとやられると重なった所が明るすぎて「大爆発状態」になっちゃうし、逆にあまり明るくない花火だと暗くて華やかさに欠ける。

 バルブだと目で見ながら「この辺で止めっ」と止められるからだ。例えば同じシャッタースピード5秒でもこんなに違う。

F13に絞り込んで、シャッタースピード5秒。結構いい感じ(写真=左)。上がる花火の種類や数が変わると、同じ5秒でもこんな大爆発状態に。明るい花火を連発されると大変な結果になる(写真=右)

 近距離花火は迫力があっていいけど、花火が高く上がると画面から簡単にはみ出してしまう。

 だいたい花火大会は無差別に花火を上げるわけじゃなくて、ちゃんと全体の構成を考えているので、「ああ、大きなのが来そう」と思ったらカメラをさっと縦位置に切り替えるのも大事。

上がはみでたっ
縦位置にするときれいに収まる

 近距離花火の楽しさは、ちょっと望遠にすると画面全体が花火に埋まるような、迫力ある写真を撮れること。ひとつひとつ上がる高さが違う花火を相手にうまく構図を決めめなきゃいけないけど、たまにうまくいくと楽しい。

小さな花火がたくさんあると華やかに
ちょっと望遠気味にして画面いっぱいに花火を捉えてみた。こういうときははみ出ても問題なし
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