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バリアングル液晶搭載の「新スタンダード」、キヤノン「EOS 60D」

» 2010年08月26日 13時18分 公開
[ITmedia]
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 キヤノンは8月26日、デジタル一眼レフカメラ「EOS 60D」を9月中旬より販売開始すると発表した。価格はオープン。ボディのみの実売想定価格は13万円前後で、「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS」セットの実売想定価格は14万円前後、「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS」セットの実売想定価格は17万円前後。

photophoto 「EOS 60D」。左は「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS」、右は「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS」との組み合わせ例
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 2008年8月に発表された「EOS 50D」の後継モデルで、同社製品「EOS Kiss X3/X4」が担うデジタル一眼レフ入門機よりワンクラス上、「写真愛好家のための新スタンダード」「写真入門機」として位置づけられる。

 「写真愛好家のための新スタンダード」を掲げるだけに、基本機能は非常に充実している。撮像素子はAPS-Cサイズ(22.3×14.9ミリ)の有効1800画素CMOSセンサーを搭載、画像処理エンジンには「DIGIC 4」を組み合わせており、約5.3コマ/秒の高速連写が可能だ(最大撮影枚数はJPEGで約58枚、RAWで約16枚)。

 ISO感度は50Dの常用100〜3200から100〜6400へ拡大され、感度拡張時はISO12800での撮影も行える。測光センサーにはEOS 7Dと同様の63分割測光センサーを搭載、AFは全点9点クロスのセンサーを搭載する。

 外観上で最も50Dと異なるのは、EOSシリーズ初の搭載となるバリアングル液晶だ。左にヒンジの設けられた横開きタイプで、三脚設置時やバッテリーグリップ装着時にもアングルの自由度が損なわれることはない。サイズは3型ワイド/104万画素で、視野角は170度。反射防止コーティングも施されている。

photophotophoto シリーズ初となるバリアングル液晶を搭載する

 撮影機能としては新たに「表現セレクト機能」が追加された。これは「くっきり鮮やかに」「ほの暗くしっとりと」「ふんわりやわらかく」など9種類の仕上がりイメージと、「日なた」「日かげ」「くもり」など7種類のシーンをそれぞれ選択することで、言葉のイメージに近い撮影設定が自動的に施される。ライブビュー撮影時にはシャッターを切る前に効果を確認することもできる。

 これは画像処理ではなく60Dが持つ撮影設定パラメーターの変化――「ほの暗くひっそりと」であれば青みとコントラスト強調、明度低めなど――によってもたらされるため、撮影になれないうちは表現セレクト機能を使い、どのような設定で撮影されたかを撮影後に確認し、以降は自身で設定を行うなど、設定と仕上がりの関係を勉強するための機能としても利用できる。

 撮影後の画像へフィルター処理を施す「アートフィルター」も搭載された。「ラフモノクロ」「トイカメラ風」「ジオラマ風」などが用意されている。撮影後のファイルに効果を施すため表現セレクト機能のようにライブビュー時の効果確認はできないが、別フィルとして保存することができるため、オリジナルとフィルター適用の2通りをカメラ内に保存しておける。また、RAW画像のカメラ内現像も可能となっている。現像時にはピクチャースタイルの適用も可能だ。

 動画についてはEOS 7Dと同等のMPEG-4 AVC/H.264、最大1920×1080ピクセルのフルハイビジョン録画機能を搭載した。フルHD時撮影時にはフレームレートを30/25/24fpsから、HD(1280×720ピクセル)とVGA(640×480ピクセル)撮影時には 60/50fpsから選択できる。背面には動画撮影スイッチが用意されており、スピーディな動画撮影が行える。画像中央部を抜き出すことでレンズ焦点距離の約7倍に相当する望遠効果を得られる「クロップ機能」も用意されている。

 ファインダーは視野率96%、倍率は0.95倍。電子水準器も搭載しており、ファインダーおよび表示パネル、背面液晶で±9度の傾きを確認できる。そのほかスピードライトトランスミッターを内蔵しており、ワイヤレス制御対応のスピードライトEXシリーズをカメラ単体で制御できる。

photophotophoto 「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS」装着時の側面(写真=左、中)、記録メディアにはSDメモリーカードを採用した

 前モデル「EOS 50」との比較を含めた、主なスペックは以下のとおり。

製品名 EOS 60D EOS 50D
形式 ストロボ内蔵デジタル一眼レフAF・AEカメラ
レンズマウント キヤノンEFマウント
撮像素子 22.3×14.9ミリ、有効約1800万画素CMOSセンサー 22.3×14.9ミリ、有効約1510万画素CMOSセンサー
ISO感度 ISO 100〜6400相当、ISO12800相当の感度拡張が可能 ISO 100〜3200相当、ISO12800相当の感度拡張が可能
記録画素数 5184×3456/3456×2304/2592×1728/1920×1280/720×480 4472×3168/3456×2304/2352×1568ピクセル
記録方式 JPEG、RAW(14ビット)
AF方式 TTL2次結像位相差検出(9点測距、EV-0.5〜18)
フォーカスモード ワンショットAF、AIサーボAF、AIフォーカスAF、マニュアル
シャッター 電子制御式フォーカルプレーンシャッター
露出制御方式 プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル、バルブ
シャッタースピード 1/8000〜30秒、バルブ
ホワイトバランス オート、太陽光、日陰、くもり、白熱電球、白色蛍光灯、ストロボ、マニュアル、色温度指定
ドライブ(連写機能) 最高約5.3コマ/秒、最大約58枚(JPEG)/最大約16枚(RAW) 最高約6.3コマ/秒、最大約90枚(JPEG)/最大約16枚(RAW)
液晶ディスプレイ 3型ワイドバリアングル液晶ディスプレイ、約92万画素 3型TFT液晶ディスプレイ、約92万画素
記録メディア SDメモリーカード(SDHC/SDXC対応) コンパクトフラッシュ(Type I/II、UDMA対応)
動画撮影機能 MPEG-4 AVC/H.264 最大1920×1080ピクセル ――
サイズ 144.5(幅)×105.8(高さ)×78.6(奥行き)ミリ 145.5(幅)×107.8(高さ)×73.5(奥行き)ミリ
重さ 約675グラム(本体のみ) 約730グラム(本体のみ)

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