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世界最速AF実現、第3世代のPEN 「OLYMPUS PEN E-P3」(1/2 ページ)

» 2011年06月30日 14時00分 公開
[ITmedia]
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 オリンパスイメージングは6月30日、マイクロフォーサーズ規格に準拠したデジタルカメラ「OLYMPUS PEN E-P3」を7月22日より販売開始すると発表した。ボディ単体、「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」をセットしたレンズキット、「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」もセットしたツインレンズキットが用意され、いずれも価格はオープン。実売想定価格はボディのみが9万円前後、レンズキットが10万円前後、ツインレンズキットが12万円前後。

photophotophoto 「OLYMPUS PEN E-P3」(レンズは「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」)。ボディーカラーはシルバー、ホワイト、ブラックの3色。「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」は新デザインが施された以外、既存の「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II」と同一。レンズはシルバーとブラックの2色
photophotophoto 「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」装着時

 名前の示すとおり、「OLYMPUS PEN E-P2」(レビュー)の後継製品で、定評あるデザインやボディ内手ブレ補正などはそのままに、「位相差AFの一眼レフをしのぐ、世界最速AF」(同社)となる「FAST AF」システムや新型の撮像素子、画像処理エンジン、タッチパネル式有機ELディスプレイなど先進の機能を搭載した。

 FAST AFシステムは「従来の倍速(120fps)で駆動する新型の撮像素子」「信号処理からフォーカス状態を検出する演算処理の高速化」「MSCレンズの高速制御」「レリーズを押してからのAFシステム起動レスポンスの高速化」などによって構成されており、キットレンズ(「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」)装着時に、従来比約3倍の高速で合焦する「世界最速」(シングルAF時。同社)のAF速度を手にしている。

 AFの測距点が従来の11点から35点に増加したほか、従来シリーズ製品には非搭載だった補助光システムも搭載。これまで白黒で判別していたトラッキングAFについても顔検出や色情報を利用することでその精度を高めている。シャッターボタンを半押しせずとも常時フォーカスを合わせ続けるフルタイムAF機能も備え、E-PL2から搭載した瞳検出も「近距離の目優先」「左目優先」「右目優先」が選択可能となり、より意図通りのポートレート撮影が可能となっている。

photophotophoto ストロボを内蔵した(写真=左)、ストロボ内蔵に伴い上面インタフェースには若干の変更が行われている(写真=中)、タッチパネル式の3型有機ELディスプレイを搭載した背面(写真=右)

 撮像素子は4/3型 有効1230万画素の「新ハイスピード Live MOSセンサー」。センサーサイズや画素数は既存モデルから変更されていないが、より高感度/高速化が進められ、1920×1080ピクセルのAVCHDフルハイビジョン動画撮影を可能としたほか、動画撮影時には全画素を利用するライン加算方式を採用したことで、動画やライブビュー時の画質も向上している。静止画撮影時には、新型の画像処理エンジン「TruePic VI」との組み合わせによってISO12800の高感度撮影が可能となった。

photophoto 透過図(写真=左)、搭載する4/3型 有効1230万画素の「新ハイスピード Live MOSセンサー」(写真=右)

 このTruePic VIでは同社「E-5」で実装された高い解像感を実現する「ファインディテール処理」のほか、エメラルドグリーンや黄色など色再現の難しい特定色の再現力を向上させた「リアルカラーテクノロジー」を新たに実装した。階調オート撮影(iAUTOなど)に暗部階調を補正するSAT(シャドーアジャストメントテクノロジー)も「アドバンスドSAT」へ進化し、白トビや黒ツブレを効果的に抑制する。

 TruePic VIは記録画像の処理とライブビュー画像の処理、それぞれを専用のコアで並列して行うデュアルコア構成となっており、撮影直後のブラックアウト時間を短縮、撮影のテンポを速めることにもつながっている。

 背面ディスプレイはタッチパネル(静電容量式)の3型(アスペクト比は3:2)有機ELディスプレイを採用した。画素数は61万画素だが特殊配列によって92万画素(VGA)相当の画像データを表示する。タッチパネルの採用により、撮影時にはAF位置選択やライブガイド操作、シャッターレリーズなどが、再生時には拡大、拡大位置指定、コマ送りなどが指先の操作で行える。

 アートフィルターは「ポップアート」「ファンタジックフォーカス」「デイドリーム」「ライトトーン」「ラフモノクローム」「トイフォト」「ジオラマ」「クロスプロセス」「ジェントルセピア」「ドラマチックトーン」の10種類を用意。デイドリーム/ポップアート/ラフモノクローム/トイフォトについては雰囲気の異なるバリエーションも適用できる。これらについては、1回のシャッターで複数のアートフィルターを適用した複数枚の写真を撮影できる「アートフィルターブラケット」機能も搭載した。

 加えて、フレームを付加する「アートフレーム」、周辺光量を落とす「ピンホール」、ピントを柔らかくする「ソフトフォーカス」、光芒を発生させる「スターライト」、四隅にぼかしを加える「ホワイトエッジ」といった「アートエフェクト」も用意されており、これらはアートフィルターへ重ねて適用することも可能だ。

 専門用語を使わずとも「鮮やかさ」「明るさ」などのアイコンを選んで操作するだけで意図した仕上がりを得られるライブガイドはiAUTOのみならずP/S/A/Mの各撮影モードで利用できるようになったほか、ライブガイドを使わない場合でも、暗部/明部それぞれの明るさを個別に調整できる「トーンコントロール」機能が利用できる。

 動画については、AVCHD/MotionJPEGの2方式を選択でき、AVCHD時の画像サイズは1920×1080ピクセルもしくは1280×720ピクセル、MotionJPEG時の画像サイズは1280×720ピクセルもしくは640×480ピクセルとなる。カメラ内にステレオマイクを内蔵しており、AVCHD時にはドルビーデジタル、MotionJPEG時にはリニアPCMにて音声記録が行われる。

photophotophoto グリップは着脱式となり、外しての利用も行える
photophotophoto 別売オプションの大型グリップ「MCG-2」装着時

 ボディは初代の「E-P1」よりデザインを継承するメタルボディだが、グリップは着脱式となり、個人の好みに合わせての装着/非装着を選択できる。グリップは「MCG-1」(同梱)のほか「MCG-2」(別売オプション)も用意される。ボディにはそのほかストロボ(ガイドナンバー10 ISO200)、超音波振動式のダストリダクションシステム、水準器、センサーシフト式手ブレ補正機能を搭載するほか、既存モデルは1つだった「Fn」ボタンは2つになり、操作カスタマイズ性も高くなっている。

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