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「FUJIFILM X10」第1回――デザインにホレるカメラ長期試用リポート(1/2 ページ)

» 2011年12月01日 11時30分 公開
[小山安博,ITmedia]
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「コンパクトなX100」的なたたずまい

 「FUJIFILM X10」(以下X10)は、レンジファインダーカメラを思わすクラシカルな外観が目を引く。それに、全体に張り付けられた皮革(本革でないのが残念)の仕上がりは本革の風合いが再現されていて、触り心地がいい。

photo FUJIFILM X10
photophoto 本体前面。レンジファインダー風の外観。フラッシュはポップアップ式で手動

 レンズのズームリング、モードダイヤルなどは金属の削り出し。高級デジカメといえば金属削り出しだが、X10もきっちりそれに習っている。試用機のダイヤルはちょっと固めだが、遊びの少ない手ごろなクリック感があり、回して気持ちいい。

 ズームリングも適度なトルクが効いており、動きも滑らかなので、何もなくてもつい回してしまう。シャッターボタンは、機械式レリーズを取り付けられるようにネジ穴が切ってあって、単純にデザインアクセントとしても好みだ。

photo ダイヤル類は金属の削り出しなので触れるだけでも心地よい。ズームリングもシャッターボタンのフィーリングも良好

 とにかく、全体として「感触」がいいのだ。ひんやりとしたボディのアルミダイキャストをはじめとした金属の採用は、持っていて気持ちがいい。クラシカルなカメラといったスタイルは好き嫌いが分かれるかもしれないが、個人的には好きな部類だ。

 サイズも手ごろな感じで、ポケットに入るコンパクトデジカメというレベルで考えると大きいが、ストラップは両づり式で、首から下げても、肩から斜めがけにしても安定して持ち運びしやすい。デザインが好ましいので、首から下げても楽しいのだ。

 デザインに関して言えば、かぶせ式のレンズキャップもアルミ製で高級感がある。内面にはファブリックが張り付けられていて、レンズとの密着性もよく、外れにくいのも好印象。ただ、ヒモをつけられるわけではないので、そのうちなくしてしまいそうではある。

 きちんと光学ファインダーを搭載している点も好感が持てる。ワイド端ではレンズにケラれるが、ズーム連動なので実用的ではある……が、個人的にはあまり使わない。視度調整もあって、必要であれば使えるという心強さはあって、左目でのぞき、鼻に液晶を押し付けるようにすれば安定性が向上するので、夜景撮影などでは有効ではある。

photo 個人的にファインダーは必ずしも必要としていないが、スタイルからしても、実用性からしてもあるとうれしいものである。外部ストロボが利用できるのもポイントで、設定から富士フイルム製以外の外部ストロボのオン/オフ設定ができる

 X10は、APS-CサイズのCMOSセンサーを搭載した「FinePix X100」の姉妹(というか親子?)機と言えるような外観をしていて、機能的にもスタイルとしても、X100をさらにコンパクトにした製品といえる。ブラック基調のボディはX100に比べるとクラシカルな印象が薄れるが、コンパクトに凝縮していながら、うまくまとめ上げてきていると思う。

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