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デジタルで復活した「OLYMPUS OM」――「OLYMPUS OM-D E-M5」

» 2012年02月08日 11時00分 公開
[ITmedia]
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 オリンパスは2月8日、マイクロフォーサーズに準拠したデジタルカメラ「OLYMPUS OM-D E-M5」を3月下旬より販売開始すると発表した。ボディのみ、レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3EZ」を組み合わせたレンズキットが用意され、いずれも価格はオープン。実売想定価格はボディのみが10万5000円前後、レンズキットが13万前後。

photophoto 「OLYMPUS OM-D E-M5」
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 「OM」との名称から連想されるよう、1973年に発表された「OLYMPUS OM-1」を連想させるデザインを採用したモデルで、「E-P3」などOLYMPUS PENシリーズがフィルム時代のPENから手軽さと高画質という要素を引き継いだのに対して、本製品は“ファインダーをのぞきながら、レンズを交換して撮影する”という「本格的なシステム一眼」ともいうべき要素をOLYMPUS OM-1から継承する。

 そのボディデザインはOM-1からOM-4までのOMヒトケタから受け継ぐ直線を基調としたもので、筐体はマグネシウム合金、底部カバーはアルミ合金製。モードダイヤルとメインダイヤルも金属製で高い質感を持つほか、同社フラグシップ機「E-5」と同等の防じん・防滴構造となっており、さまざまな撮影現場での使用に耐える。

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 キットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3EZ」も防じん防滴仕様となっているほか、同時発表のバッテリーホルダー「HLD-6」および、フォーサーズレンズアダプター「MMF-3」も防じん防滴仕様となっているため、SHG/HGレンズ装着時にも防滴・防じんは保たれる。

 撮像素子は新開発の有効1605万画素 4/3型 ハイスピードLive MOSセンサーで、ノイズを既存機種の半分以下に抑制したほか、ダイナミックレンジも拡大しており、低輝度から高輝度まで豊かな階調を表現する。高感度性能も向上しており、ISO感度は最高25600までとなっている。

 画像処理エンジンにはE-P3と同様の「TruePic VI」を組み合わせており、E-5にも搭載されている「ファインディテール処理」や、エメラルドグリーンなどこれまで再現の難しかった色を再現する「リアルカラーテクノロジー」も実装されている。加えて、階調オート時に暗部階調を改善する「シャドーアジャストメントテクノロジー」も改良されており逆光時などでも白トビ/黒ツブレを抑制する。

 144万画素の液晶ビューファインダーは視野率100%で、既存の外付けEVF「VF-2」の光学系を受け継ぎ、最大倍率1.15倍、アイポイント18ミリを確保している。EVFの課題として挙げられるタイムラグについては、ラグを最短0.03秒(高速表示モード時)まで押さえ、OVFに比肩する使い心地を手に入れている。

photo 144万画素の液晶ビューファインダー

 EVFの特長を生かした操作インタフェースとして、新たに「EVFクリエイティブコントロール」が導入された。EVFから目を離さず、カメラの「Fn2」ボタンとダイヤルでトーンカーブを調整できる「ハイライト・シャドー・コントロール」「ホワイトバランス」「拡大表示」「アスペクト比変更」を操作可能だ。

 ボディ内手ブレ補正はヨー/ピッチ/水平並進/垂直並進/回転の5軸に対して効果を発揮する「5軸対応手ぶれ補正」となり、マクロ撮影時などでも威力を発揮する。なお、この5軸対応手ブレ補正はレンズ交換式としては「世界初」(同社)の導入となる。なお、動画撮影の手ブレ補正についてもボディ内の手ブレ補正が機能する。

 AFはE-P3と同様の高速AFシステム「FAST AF」が搭載されているが、C-AF時の240fps読みだしなど細部の見直しによって、E-P3を上回る速度を実現した。フォーカス選択エリアは35点で、動きのある被写体をAFで撮影する際には3×3エリアを選択するグループエリア選択機能も用意されている。フルタイムAF、追尾AFも用意されており、追尾AFには動体予測機能が追加されたことで奥行き方向の被写体移動にも追尾する。この被写体追尾は動画撮影時も有効だ。

 アートフィルターには、ポップアート/ファンタジックフォーカス/デイドリーム/ライトトーン/ラフモノクローム/トイフォト/ジオラマ/クロスプロセス/ジェントルセピア/ドラマチックトーンの既存フィルターに加え、イラストや版画のような効果を与える「リーニュクレール」が追加された。1回のシャッターで複数のアートフィルター適用画像を撮影する「アートフィルターブラケット」はViVidやNaturalといったピクチャーモードも選択できる。

 背面には可動式のタッチパネル3型有機ELディスプレイを搭載。パネルの画素数は61万画素だが、特殊な画素配列によって92万画素相当の画像表示が行える。色合いを変更することも可能で、有機ELらしい鮮やかな色彩と、パソコンディスプレイの液晶に近い色合いが任意で選択できる。

photophoto 可動式の有機ELディスプレイ

 動画は最大1920×1080ピクセルのフルハイビジョン映像記録に対応しており、記録形式を.MOV(MPEG-4 AVC/H.264)と.AVI(Motion JPEG)が選択できる(音声はいずれもリニアPCM)。映像に残像を加える「ワンショットエコー」「マルチエコー」といったエフェクトも適用可能だ。

 サイズは121(幅)×89.6(高さ)×41.9(高さ)ミリ、約425グラム(バッテリー、SDメモリーカード含む)。パッケージには本体同様の防じん・防滴加工の施されたガイドナンバー10の小型外付けストロボ「FL-LM2」が付属する。

photophoto 付属外付けストロボ「FL-LM2」装着時

 別売オプションとして前述のパワーバッテリーホルダー「HLD-6」(3万6750円)、フォーサーズアダプター「MMF-3」(2万1000円)のほか、グリップストラップ「GS-4」(3780円)、アイカップ「EP-11」(2310円)などが用意される。

photophoto パワーバッテリーホルダー「HLD-6」を装着し、充電池「BLN-1」を2個搭載した際の撮影可能枚数は約650枚(CIPA基準)

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