各種の操作ボタンについて、基本部分は変わらないが、いくつかの変更点が見られる。まずライブビューは、従来はレリーズモードダイヤルからの選択だったが、D800では背面の専用ボタンによって素早く起動可能になった。従来はレバー操作だったフォーカスモードは、ボタン+コマンドダイヤルの操作に変更された。また、AEブラケティングやピクチャーコントロールについても、それぞれ専用ボタンでの呼び出しが可能になった。
これらの変更によって下位モデルD7000とほぼ共通の操作系になったといえる。同社のミドルクラス以上の製品ユーザーなら、使用説明書を読まなくても基本操作はすぐに把握できるだろう。
新機能としては、露出が異なる2カットを合成して広階調の画像を生成する「HDR」モードや、一定間隔で連続撮影した静止画をつないで動画として記録する「微速度撮影」を搭載する。D700にはなかった動画モードは、最大で1920×1080/30pのフルHD記録に対応する。動画撮影時は、撮像範囲をFXとDXの2つのサイズから選択できるほか、背面モニタと外部モニタとの同時表示や、撮影中のインデックスマーキングなども可能になった。
AFは「アドバンストマルチCAM3500FXオートフォーカスセンサーモジュール」による51点AFシステムを採用する。51点のうち15点がクロスタイプのセンサーとなり、11点はレンズの絞り値がF8でも作動する。実際の使用では、多少薄暗いシーンでもきびきびと合焦し、動きのある被写体に対してもしっかりと追従するAF性能の高さを確認できた。
シャッター音は、かん高くやや大きめの音だ。従来機に比べても、レリーズ時の音とミラーショックは多少大きくなった印象を受ける。振動によるカメラブレには十分注意して撮影するようにしたい。
連写は、撮像範囲がFXフォーマットの場合で秒間約4コマ、DXフォーマットで秒間約5コマに対応する。オプションのマルチパワーバッテリーパック「MB-D12」を装着した場合は、DXフォーマットで秒間約6コマ/秒も可能になる。連続撮影可能コマ数は、RAWモードで約16〜25コマ(RAWのビット数や圧縮、使用カードによって異なる)。AFやシャッターのレスポンスが軽快なので、ついつい撮影枚数が増えがちだが、バッファメモリがいっぱいになると書き込みにはそれなりに待たされる。RAWを多用するなら、できるだけ高速な記録メディアを用意したい。
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