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今日から始めるミラーレス一眼(4)――「おまかせオート」で人物を撮る(1/2 ページ)

» 2012年06月07日 16時55分 公開
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 ソニー「NEX-F3」、パナソニック「DMC-GF5」、オリンパス「PEN Lite E-PL3」、ニコン「Nikon 1 J1」、ペンタックス「PENTAX Q」とピックアップしている「今日から始めるミラーレス一眼」も今回で4回目となりました。

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 第1回では仕様とサイズを、第2回では手にした際の使用感などを、第3回ではシーン認識による全自動モード、いわゆる「おまかせオート」についてお伝えしました。

 今回は「おまかせオート」による、人物撮影についてチェックしてみましょう。この撮影モードによる人物撮影は、顔認識の枠が出ているときにシャッターボタンを押すだけというシンプルな操作なのですが、カメラ内では顔の明るさに背景の明るさ、それに肌の色合いなど、さまざまな要素からそのシーンでの人物撮影に最適となるような設定と処理が自動で行われています。

 それではピックアップした5機種で、おまかせオートによる人物撮影をチェックしてみましょう。

日差しが強い日中の撮影

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photophoto 左上から「NEX-F3」「DMC-GF5」「E-PL3」「Nikon 1 J1」「PENTAX Q」のおまかせオート撮影例

 NEX-F3から順にみていきましょう。NEX-F3は顔の明るさが最適となるようなポートレートらしい仕上がりとなりました。やや、明るさが少し足りないような印象です。

 DMC-GF5は、強い日差しを感じるような明るい仕上がりとなりました。肌の赤みが強調され、NEX-F3より健康的な印象を受けます。E-PL3は、DMC-GF5と似たような明るいイメージとなりました。

 Nikon 1 J1は、全体としてはNEX-F3やDMC-GF5に近い明るさになっていますが、アクティブDライティングにより人物が明るくなり、主題となる人物に目が行くような効果を生んでいます。PENTAX Qは、彩度を上げて人物を綺麗に見せるような味付けになっているようです。

 このシーンでは、GF5とE-PL3の明るさのイメージ作りが良いと感じます。Nikon 1 J1の写真作品風の仕上がりも面白いのではないでしょうか。

白い背景と側面からの光

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photophoto 左上から「NEX-F3」「DMC-GF5」「E-PL3」「Nikon 1 J1」「PENTAX Q」のおまかせオート撮影例

 NEX-F3は、影となる部分が明るく補正されており、柔らかい印象を受ける仕上がりとなりました。DMC-GF5は、NEX-F3ほどの明るさとなりませんでしたが、絞り優先オートの仕上がりとは明らかに違う、明るいポートレート写真に仕上がっています。

 E-PL3は、NEX-F3のような柔らかい明るさをもちつつ、ここに赤みが足された暖かみのある写真に仕上がりました。Nikon 1 J1は、極端な明るさも暗さも感じさせないフラットな仕上がりとなりましたが、色調は寒色系で少し寂しい気がします。

 PENTAX Qは、顔以外の全体的なバランスを考慮しているのかやや暗めとなりましたが、彩度が上がっているので、暗いという印象はあまり受けません。明るく暖かみのあるNEX-F3とE-PL3、クールなNikon 1 J1という個性が表れました。

逆光

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photophoto 左上から「NEX-F3」「DMC-GF5」「E-PL3」「Nikon 1 J1」「PENTAX Q」のおまかせオート撮影例

 NEX-F3は、逆光とは思えないような明るさで撮影することができました。ガラスの明るい部分が白トビしてない点から、単純な露出による明るさの補正ではなく、Dレンジオプティマイザーによる逆光補正が働いていることがわかります。

 DMC-GF5は、NEX-F3のような明るさにはならなかったものの、補正能力は高く、顔も十分な明るさとなっていることが分かります。E-PL3は、NEX-F3に匹敵するような明るい仕上がりとなりましたが、やや赤みの強く出た点が気になります。

 Nikon 1 J1はこのシチュエーションでは顔検出の枠がほぼ出現せず、顔を中心とした露出補正は働きませんでした。結果として、人物の存在を考慮しない露出となり暗い仕上がりとなりました。PENTAX Qは逆光補正が働き、NEX-F3ほどではないですが、DMC-GF5より明るい仕上がりとなりました。

 逆光での人物撮影は、NEX-F3のまるでレフ板を入れているかのような明るさに驚きました。以前はこのようなシーンではストロボが欠かせませんでしたが、最新のカメラではおまかせオートで十分に対応できることが分かりました。

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