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「軽快さ」をプラスした“小さなEOS”――ミラーレスEOS「EOS M」登場(1/2 ページ)

» 2012年07月23日 14時00分 公開
[ITmedia]
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 既報の通り、キヤノンは7月23日、ミラーレスデジタルカメラ「EOS M」を9月中旬より販売開始すると発表した。ボディのみ、パンケーキレンズ「EF-M22mm F2 STM」とのレンズキット、標準ズームレンズ「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」とのレンズキット、上記レンズ2本にEFマウントアダプター「EF-EOS M」、ストロボ「スピードライト 90EX」をセットしたダブルレンズキットが用意される。

 いずれも価格はオープンで、同社オンラインショップでの販売価格はボディのみが7万3290円、「EF-M22mm F2 STM」とのレンズキットが8万3790円、「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」とのレンズキットが8万9040円、ダブルレンズキットが12万5790円。各レンズやマウントアダプター、ストロボは単体での販売も行われる(価格は次ページに掲載)。

photo 「EOS M」(レンズはパンケーキレンズ「EF-M22mm F2 STM」)
photo 標準ズームレンズ「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」装着時

 新製品はミラーを持たないレンズ交換式デジタルカメラ、いわゆるミラーレス一眼であり、同社レンズ交換式デジタルカメラ製品群の中では、「EOS Kiss X6i」や「EOS Kiss X5」と同様のエントリークラス向けとなる。EOS Mの「M」は小型(Mini)の「M」、小型軽量化によって気軽に持ち運べる(Mobility)の「M」よりとられており、EOSシリーズの基本コンセプトである「快速」「快適」「高画質」に、「軽快さ」をプラスした製品として訴求される。

photophoto 正面(写真=左)、背面(写真=右)。背面液晶はタッチパネルの3型ワイド/104万画素
photophoto 側面

 撮像素子にはEOS Kiss X6iと同サイズのAPS-Cサイズセンサーを搭載し、アクセサリーシューにはスピードライトなどEOSシリーズのアクセサリーを装着可能。さらにはマウントアダプターを介してEFおよびEF-Sレンズが装着可能と、“EOSシステム”との互換性を保ちながらミラーレス構造を採用することで、ボディの大幅な小型軽量化を実現している。

photophoto
photophoto ボディカラーはブラック、シルバー、ホワイト、レッドの4色。ダブルレンズキットは4色展開だが、2つのレンズキットはブラックとシルバー、ボディのみはブラック1色となる

 搭載する撮像素子はEOS Kiss X6iと同様、中央部に位相差AF用センサーを搭載したAPS-Cサイズ(約22.3×14.9ミリ) 有効1800万画素のCMOSセンサーで、AFについてはコントラストAFと位相差AFを組み合わせた「ハイブリッドCMOS AF」となっている。ハイブリッドCMOS AFは最終的な合焦にこそコントラストAFを用いるが、撮像素子面に設けられた位相差AFセンサーである程度のピントを合わせるため、コントラストAFのみで合焦する際のオーバーランを短縮できる。測距点は31点で、AF方式は「顔認識+追尾優先」「ライブ多点」「ライブ1点」の3つが用意される。

photophoto EOS MのCMOSセンサー(写真=左)、AF方式選択画面(写真=右)
photo ピクチャースタイル「スタンダード」の作例(β機による撮影)

 AF動作は合焦時にピントが固定される「ワンショットAF」(静止画/動画)と被写体にあわせてピントを合わせ続ける「サーボAF」(静止画のみ、予測制御なし)のほか、動画撮影時に被写体へピントを合わせ続ける「動画サーボAF」が用意されており、動画撮影時に「動画サーボAF」と「顔優先+追尾AF」を組み合わせれば、被写体にAFフレームをあわせながら追尾しての動画撮影が可能となる。

 動画撮影についてはカメラにステレオマイクを内蔵しているほか、録音レベルを最大64段階に調整(ウインドカットも可能)可能。音割れを低減するアッテネーター機能も備える。最大の動画記録サイズは1920×1080ピクセルのフルハイビジョンとなる。

 レンズマウントは新開発の「EF-M」マウントで、レンズとの通信は既存EOSのEFマウントと同様に完全電子化されている。フランジバックは18ミリ、マウント外径は58ミリ。同時に用意されるマウントアダプターを介して、EF-MおよびEFシネマレンズを除くすべてのEFレンズが装着可能だ。

 ミラーレス構造を採用するとともに、シャッターユニットやマウント接点などキーパーツを小型化、タッチパネル液晶採用による操作部材の削減などを行い、ボディは108(幅)×66.5(高さ)×32.3(奥行き)ミリ、約265グラムという小型軽量化を達成している。撮像素子を含む撮像ユニットには、超音波振動によってゴミを除去するクリーニング機構も内蔵している。

 画像処理エンジンは「DiGiC 5」を搭載しており、ISO感度オート設定でも最高ISO6400、マニュアル設定ならばISO12800(感度拡張によってISO25600まで増感可能)の高感度撮影を行える。連写は最高約4.3コマ/秒(AF固定)で、シャッターにはメカシャッターを搭載する。

photo ISO12800の作例(β機による撮影)

 本体操作はタッチパネル液晶(3型ワイド/104万画素)を活用したものとなっており、画面に触れたところへピントを合わせてシャッターを切る「タッチシャッター」も利用できる。シャッターボタンと一体化した撮影モードダイヤルから「シーンインテリジェントオート」「静止画」「動画」の各撮影モードを選択するユーザーインタフェースとなっており、P/A/S/Mなどはモードダイヤル「静止画」を選択後、タッチパネル操作から選択することになる。

photophoto 上面

 撮影機能としては、「シーンインテリジェントオート」選択時に最大29のシーンをカメラが判別するほか、高速連写と重ね合わせ(4コマ)による手持ち夜景、HDR逆光補正、撮影前/撮影後のいずれでも加工を行えるデジタルフィルター機能「クリエイティブフィルター」(7種類、3段階調整可能)、「ふんわり柔らかく」などのイメージを選択するだけで写真の雰囲気を設定できる「表現セレクト」、マルチアスペクト撮影機能などを備える。本体にストロボは内蔵していないが、アクセサリーシューにはダブルレンズキットに付属する「スピードライト 90EX」のほか、同社スピードライトシリーズを装着可能だ。

photophoto クリエイティブフィルター「ソフトフォーカス」(標準)作例(写真=右)とOFFの作例(写真=左)(いずれもβ機による撮影)(※初出時、左右の説明が逆となっておりましたので訂正させて頂きました 2012年7月25日 0時)
photophoto クリエイティブフィルター「ラフモノクロ」(標準)作例(写真=右)とOFFの作例(写真=左)(いずれもβ機による撮影)(※初出時、左右の説明が逆となっておりましたので訂正させて頂きました 2012年7月25日 0時)
photophoto 「スピードライト 90EX」の装着例
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