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デュアルAFシステム搭載 先進の35ミリフルサイズ「α99」

» 2012年09月12日 13時00分 公開
[ITmedia]

 ソニーは9月12日、35ミリフルサイズセンサーを登載したαシリーズのフラグシップ機「α99」(SLT-A99V)を10月26日より販売開始すると発表した。価格はオープンで、実売想定価格は30万円前後(ボディのみ)。

photo 「α99」(レンズは「Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM」(SAL1635Z」)
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 搭載される撮像素子は35ミリフルサイズ(35.8×23.9ミリ)の有効約2430万画素 “Exmor”CMOSセンサーで、同じくフルサイズ機の「α900」から画素数の大きな変更はないものの(α900は有効約2473万画素)、画素の低背化による集光効率向上や、画素周辺回路の小型化による画素あたり受光面積拡大などにより、感度とダイナミックレンジの向上を図っている。常用ISO感度は100〜25600で、感度拡張によってISO50、マルチショットノイズリダクション時にはISO51200にもなる。

photo α900と比較すると、センサー全体の面積と画素数ではあまり変更されていないが、1画素あたりの高さと受光面積には大きな違いがある

photo 上が新採用された他点分離ローパスフィルター。従来型に比べてより点像の強度分布を細かくコントロールできるため、モアレ・偽色の低減と解像感の両立を実現した

 ローパスフィルターは同社の業務用カムコーダの技術を応用して開発された「多点分離光学ローパスフィルター」で、光線の分離パターンを最適化することでモアレと偽色の低減を図りながら、高い解像感も同時に実現した。

 画像処理エンジン「BIONZ」は本製品にあわせた最適化が行われたほか、新たにフロントエンドLSIを組み合わせて搭載することで、フルサイズセンサーから生成される大容量データの迅速な処理を可能としている(RAW出力は14bit)。高速処理可能なシステムが搭載されたこともあり、画像を平坦/エッジ/テクスチャの3領域に分割してそれぞれに応じたノイズリダクション処理を行う「エリア分割ノイズリダクション」も搭載されている。

 AFには半透過ミラーを利用したトランスルーセントミラーテクノジーを採用し、19点(11点クロス)の位相差AFセンサーを常時利用できるほか、撮像素子面にも102点の測距点が設けられており、静止画撮影時にはデュアルAFシステムとして機能する。デュアルAFシステムは「AF-D」モードとして利用でき、奥行き方向は位相差AFセンサー、横方向は像面位相差AFセンサーと3次元的に被写体を補足する。

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 なお像面位相差AFの利用については対応レンズが必要となり、α99の発売日時点では「Vario-Sonnar T*24-70mm F2.8 ZA SSM」(SAL2470Z)、「70-400mm F4-5.6 G SSM」(SAL40700G)、「50mm F1.4」(SAL50F14)、「28-75mm F2.8 SAM」(SAL2875)、「500mm F4 G SSM」(SAL500F40G)、「300mm F2.8 G SSM II」(SAL300F28G2)の6本が対応する。他のレンズについては順次ユーザによるアップグレードにて対応する。

 AFについてはフォーカス駆動の範囲(距離)を任意に指定する「AFレンジコントロール」も新搭載された。AFが駆動しない範囲を前景/後掲それぞれに指定可能であるため、狙った被写体に対してピントを合わせ続けることができる。AF-Dモードとの併用は可能だが、その際には像面位相差に対応したレンズを装着しておく必要がある。

 連写は通常時(フル画素、「連続撮影Hi」)では最高6コマ/秒だが、記録画素数を抑えるかわりにクロップして連写速度も上げる「テレコン連続撮影優先AE」では最高約10コマ/秒まで高速化する。連続撮影Hi時の連続撮影枚数は画質STD時で29枚、RAW+JPEGでは12枚となる。

 ファインダーは有機ELを利用した0.5型で解像度はXGA/235.9万画素相当と「NEX-7」「α77」とスペック的には同等だが、表示レスポンスを向上させ、ファインダー内の色温度も調整可能となった。電子式の利点を生かし、DTレンズ装着時には自動的に全面表示となる機構も用意されている。

 防じん防滴処理の施されたボディはマグネシウム合金製で、3型 VGA相当の背面液晶はα77と同様の3軸可動タイプだが、白画素を加えた「RGBW」方式の“WhiteMagic”液晶となっており、α77比で約2倍の明るさとなっている。メモリカードスロットはSDメモリーカードスロットとSDメモリーカード/メモリースティック両対応スロットのデュアル構成で、メディア間コピーや振り分け記録のほか、動画を含む同時記録にも対応する。ホットシューは新開発された同社独自の「マルチインタフェースシュー」を採用するが、付属シューアダプターを介することで既存のストロボなども装着できる。

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 動画撮影にも配慮されており、マニュアル動画撮影設定はもちろんのこと、ISO6400の高感度撮影や動体追従感度調整機能、録音レベルコントロール機能、操作音なしで操作できる「サイレントマルチコントローラー」なども用意する。オプションの導入によってXLR端子への対応も可能となり、ミキサーからのライン入力も行える。録画形式はAVCHD(AVCHD progressive)もしくはMP4を選択できる。

 オプションとしてはボディ含めて3つのバッテリーを装着可能とする縦位置グリップ「VG-C99M」(3万9900円)、XLRアダプターキット「XLR-K1M」(8万4000円)、シューアダプター「ADP-MAA」(本体同梱、別売では2625円)、リモートコマンダー「RMT-DSLR2」(3150円)、モニター保護セミハードシート「PCK-LM14」(1785円)などが用意される。

photophoto 縦位置グリップ「VG-C99M」装着時
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