富士フイルム「FUJIFILM X-Pro1」は、今年2月に発売されたレンズ交換式のミラーレス一眼だ。ボディはレンジファインダーカメラを連想させるクラシカルなデザインで、レンズには光学性能にこだわったフジノンXFレンズを採用。撮像素子は独自のフィルター配列でローパスレスを可能にした「X-Trans CMOS」で、ファインダーにはEVFとOVFを切り替えながら使える「ハイブリッドマルチビューファインダー」を搭載する。こうしたユニークな仕掛けを満載した個性的なカメラである。
発売以来、細部の機能や操作性を改善するファームウエア修正を何度か行ってきたが、9月には性能を大幅に向上させるファームウエア「Ver.2.00」を公開した。更新の主な内容は、(1)オートフォーカス性能の向上、(2)マニュアルフォーカス機能の向上、(3)書き込みスピード・処理スピードの向上、(4)その他の追加機能、となる。
このVer.2.00にアップデートした「X-Pro1」を試用してみた。まず、多くのユーザーにとって大きなメリットになるのは、AFがスピードアップしたことだろう。これまでのAFは、すごく遅いというほどではないが、シーンによっては合焦までに待たされ、ちょっと引っかかるような感じがあった。それが改善され、コントラスト検出AFを採用したミラーレス一眼として標準的なレベルになった。単に合焦までの速度がアップしただけでなく、AF作動中にライブビュー映像がフリーズする独特のクセが解消されたことも大きい。
また、近接撮影でのAFの動きについても改善が施された。これまでは、近くにある被写体にピントを合わせたい場合、ボディ背面のマクロボタンを押す必要があった。それが、マクロボタンを押さなくてもオートでピントが合う被写体までの距離が短縮されたのだ。といっても、マクロボタンが不要になったわけではない。近接撮影でのAFスピードは、マクロボタンを押したほうが速くなるので、あらかじめマクロ域で撮ることが分かっている場合は、マクロボタンを押したほうがいいだろう。
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