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シンプル操作でも楽しめるポケットサイズの「X」――「FUJIFILM XF1」(1/3 ページ)

» 2012年11月01日 14時32分 公開
[佐藤直宏,ITmedia]
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 クラシカルないかにもカメラ然としたたたずまいと、高い描写能力で人気の「FUJIFILM X」シリーズに新製品「FUJIFILM XF1」が加わった。レンズ一体型のXシリーズとしてはX100、X10、XS-1に続く4モデル目となる新製品を試用した。

photo 「FUJIFILM XF1」

 携帯性重視のレンズ一体型 Xという意味では、X10が既に投入されているが、XF1の初見の印象はかなり異なる。X10が操作ダイヤルを多く配置したレンジファインダーカメラ風のスタイルとなっているのに対し、XF1は操作部を最小限としたスタイルを採用しており、ファインダーも用意されていない。また、張り革を強調したそのスリムなデザインは一部を除いてほぼ直線で構成されており、カメラというより、高級文具を連想させる。

photophoto 正面(写真=左)、背面(写真=右) 背面液晶は3型(46万画素)で画面サイズはX10の2.8型より大きい

 搭載する光学4倍のズームレンズ(35ミリ換算25〜100ミリ相当)はX10と同様、手動でズーミングを行うタイプだが、未使用(収納モード)時には一段低い位置に収納できるという凝ったギミックが採用されている。収納位置から少々ひねると電動レンズバリアが閉じたままのスタンバイ位置(スタンバイモード)となり、今度は逆側にひねると電源が入ってレンズバリアが開き、撮影可能な状態になる。

 収納モードならばレンズ部の飛び出しが抑えられるので、カバンの中でも邪魔にならず、また、クイック起動を有効としておけば、スタンバイ位置からはわずか0.55秒で撮影可能な状態となるので、移動時は収納モード、目的地に着いたらスタンバイモードとすれば携行性も携帯性も損なわずに利用できるだろう。

photophotophoto 収納モード(写真=左)、スタンバイモード(写真=中)、撮影可能状態(写真=右)

 このように凝ったギミックを採用するが、可動部分はがたつくことなく滑らかに動き、触っているだけでも楽しめる。この触っているだけでも楽しい、というのはXシリーズの伝統とも言える部分で、こうした要素もきちんとXF1は継承している。これはXシリーズのファンにとってうれしいところだろう。

E-Fnボタンによる快適な操作性

 X10に比べると操作ダイヤルやボタン類は少なくなっており、タッチパネルも採用されていないが、そこを補うために「拡張ファンクション」(E-Fn)ボタンが用意されている。これは通常ならば「再生」「録画」「露出補正/消去」「マクロ」「ストロボ」「セルフタイマー」の各機能が割り当てられている背面各ボタンへ、任意の機能を割り当てることのできるできるボタンで、合計14の機能をそれぞれへ割り振ることができる。

photophoto 「拡張ファンクション」(E-Fn)ボタンを押したところ。初期設定では、フィルムシミュレーション、AF位置、ISO感度、ドライブモード、ホワイトバランス、ダイナミックレンジの6つが拡張ファンクションに割り当てられているが、これは好みに応じてカスタマイズできる。

 反応も機敏で、快適な撮影を楽しめるのだが、ハードウェアとして用意されているボタンへの機能割り当て変更ができないのはちょっと残念に感じる。特に手動でポップアップさせないと押しても何の反応もしないストロボボタン(十時キー右)については、他の機能が割り当てできたらと思うことがあった。

 ただ、本体上面にはファンクション(Fn)ボタンもありこちらにも任意の機能を割り当て可能となっているほか、撮影モードダイヤルには任意の撮影設定セットを保存できる「カスタム」も2つ用意されているので、拡張ファンクションボタンと組み合わせれば、思い通りの撮影設定を素早く呼び出せる。ボタンを多く配置するX10やX100に比べるれば操作のダイレクト感という意味で一歩及ばないのは確かだが、そのトレードオフとしてすっきりとしたデザインやボディの薄さを手にしているわけで、この点についてはXF1の個性として受け止めたい。

photophoto 本体上部に設けられた「Fn」ボタン(写真=左)、ストロボのポップアップは手動(写真=右)
photo カラーバリエーションはレッド、ブラック、ブラウンの3色。各色ごと、微妙に張り革のパターンが異なる
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