━━今年、「α99」のほかに「α77」も発売していますが、ユーザーに対してソニーとしての推奨などはありますでしょうか?
内田氏: 何か意図を持ってAPS-Cサイズのカメラを使いたいと考えておられるお客様でなければ、レンズをそろえて、写真を深く楽しみたいと考えておられるお客さまには最初からα99を選択されることをお奨めします。現在APS-C専用のレンズしかお持ちでないとしても、徐々にフルサイズ対応のレンズを増やして行っていただければと思います。
サイズや金額を含め、そこまで大がかりにできないよというお客様には、APS-Cサイズの最高峰であるα77をお勧めします。APS-Cのサイズの中で一番いい写真を撮れるよう目指しておりますので、α77を選んでいただければ満足していただけると思います。
━━作品をプリントする人にとっても、フルサイズ機は気になる存在かと思うのですが、実際どれくらいのサイズから違いが出るものなのでしょうか。
漆戸氏: 写真にもよりますが、感度を上げて撮影している場合には、 家庭用A4プリンタでもわかると思います。A3ノビまで大きくすれば、ディテールの違いもハッキリ分かるかと思います。
解像感の違いは低感度では人によっては気にならないレベルかもしれません。ですが、目の肥えた方だと“立体感がある”“奥行きを感じる”といった表現をされることがあります。特に高感度になると、同じ画素数でもイメージセンサーの大きなフルサイズがノイズの面でも有利になりますから、ディテールの出方に差が出てきます。α99ではローパスフィルターにも工夫を加えているので、より違いが出ます。
━━それは輪郭がハッキリしているとか、細部がぼやけていないといったことでしょうか。
漆戸氏: ちゃんと絞っていただいて、ピントをジャストに合わせていただくと、α99とα77で同じ絵を撮った場合でも、α99の方が細かいディテールが出ますね 。
内田氏: 通常の撮影でもボケや色の階調などに差はありますので、そういった撮影シーンであればA4サイズのプリントでも分かる場合もあるかと思います。
あと、トランスルーセントミラーテクノロジーによるライブビュー撮影ですから、最終的な撮影結果がファインダーを通して事前に分かります。ですので、失敗写真の危険性が減り、思った通りの写真が撮れるようになります。ユーザーの方からも撮影結果があらかじめ見えて好きなように調整できるので大変好評を頂いています。
4年という時間を経て満を持して登場した「α99」は、ソニーが思い描くフルサイズ機の「高画質」「表現の幅の広さ」「高性能レンズとのベストマッチ」といった基本的な部分はもとより、より多くの人に使ってもらいたいという思いがこめられたカメラと言えよう。また、ソニーとしては決してAPS-Cをフルサイズに置き換える意向ではなく、ユーザーのニーズに応じて、画質を重視するならフルサイズ機、携帯性を重視するならAPS-Cといった住み分けで今後展開していくようだ。
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