富士フイルムは7日(現地時間)、米国ラスベガスで開幕する「International CES 2013」の事前カンファレンスで、デジタルカメラの新製品「FUJIFILM X100S」「FUJIFILM X20」を発表した。新しいセンサーと画像処理エンジンによって、さらなる高画質と高速性能を追求した、という。米国の発売は3月で、価格はX100Sが1299ドル、X20は599ドルとなっている。
いずれも、既存モデル「X100」「X10」の後継機種となり、X100Sは「フジノン23ミリ F2」レンズ、X20はフジノン光学4倍ズームレンズを搭載する。いずれも新開発の「X-Trans CMOS II」センサーと「EXR プロセッサーII」を搭載し、X100SはAPS-Cサイズ有効画素数1630万画素、X20は2/3型1200万画素のセンサーとなる。
両モデルともローパスフィルターレスのX-Trans CMOS IIを採用などでさらなる高解像度、低ノイズ化を目指しており、X100Sはフルサイズセンサーに、X20はフォーサーズセンサーに匹敵する解像度と低ノイズを実現しているという。前モデルと比べて、25%の高解像度化、30%のS/N比の改善を達成したそうだ。
X-Trans CMOS IIは、センサー上に位相差AFセンサーを搭載しており、X100Sでは008秒、X20Sでは0.06秒という高速AFを実現。同クラスでは世界最速としており、いずれも被写体やシーンに応じてコントラストAFと切り替えるインテリジェントハイブリッドAFシステムを搭載している。
X100Sには、MF向けに「デジタルスプリットイメージ」機能を搭載。本機能の利用時には、画像中央部分の像が左右にずれて表示され、ピント合わせを行うと徐々に一致する、というもので、より高精度なピント合わせが可能になるという。
X100Sの光学ファインダーと電子ビューファインダーを組み合わせた「ハイブリッドビューファインダー」は、EVFが236万ドットと高精細化した。レンズは単焦点のため、中心から周辺まで高解像度で、両面非球面レンズや高屈折ガラスレンズ、HT-EBCコーティングなど、高画質化を目指した。
富士フイルム Electronic Imaging Products DivisionのWorld Wide Marketing ManagerであるToshi Iida氏は、世界の撮影枚数が伸び続け、昨年は4000億ショット以上の撮影がされた、と指摘。この伸びを支えているのがスマートフォンとデジタル一眼レフの成長だと話す。これに対して、「この間を埋める第3のカテゴリは実現できるのか?」と問いかけ、その回答がX100SとX20の2製品だという。
第3のカテゴリを確立すべく追求したのは、「画質」「スタイル」「スピード」の3本柱で、画面の端まで精細な画像、美しいボケ、暗部ノイズの少なさ、といったスマートフォンでは不可能な高画質を目指した。フルサイズのデジタル一眼レフに対して、X100Sで半分のサイズ、レンズを含めた全体のシステムの軽量性も実現。そして新センサーと新エンジンによって、高速AF、高速起動(両モデルとも0.5秒)、シャッター感覚の短さ(同0.5秒)など、高速動作を可能にした。
プロフェッショナルな分野で使われるフジノンレンズの技術を落とし込んだことで、レンズの高画質化も図っており、全体として画質と使い勝手の良さにより、X100SとX20はスマートフォンでもレンズ交換式でもない、第3極のカメラとしての存在感をアピールしていきたい考えだ。
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