今年のCP+で最も注目を集めていた製品のひとつが、キヤノンの「PowerShot N」であることは間違いない。シャッターボタンのない真四角なボディには、「撮ったことのない写真」に出会うための仕掛けが施されている。
製品の販売開始は4月下旬の予定だが(同社オンラインショップのみでの販売で、価格は2万9800円)、試作機でのフォトリポートをお届けしたい。
外観上最も目を引くのが、正面から見ると正方形に近いボディデザイン。従来のカメラならば必ずあるシャッターボタンはどこにもなく、鏡胴付け根の2重リングがそれぞれズームレバーとシャッターボタン(レリーズ)を兼ねており、手前側のリングを押し込むとシャッター、レンズ先端側のリングを回すとズーム操作になる。レンズは35ミリ換算28〜224ミリの光学8倍ズームレンズで、撮像素子は1/2.3型 有効1210万画素高感度CMOSセンサーだ。
背面は約90度チルトする2.8型(約46万画素)のタッチパネル液晶のみで、ボタン類はない。ボタンは側面に集中しているがその数は少なく、電源と撮影モード切り替え、それにスマホ転送、再生の4つだけだ。記録メディアはMicroSDメモリーカード、電源にはIXY 1などと同じ「NB-9L」を使用する。
チルト式液晶と光学8倍ズームレンズを搭載したためか厚みは3センチ近くあり(78.6×60.2×29.3 幅×高さ×奥行き)、重さも200グラム近い(撮影時重量で約195グラム)。胸ポケットに入れるというより、付属の両づりボディジャケットとストラップを使って首から下げるのが良さそうである。
撮影時のスタイルだが、液晶を動かさず一般的なコンパクトデジカメの様に使うならば本体を両手で支えて親指タッチシャッターが良さそうであるし、ウエストレベルでの撮影なら液晶を開いてリングを押し込んでシャッターを切るのがよさそう。シャッターボタンがないのでどんな撮影スタイルとなっても少しの工夫は必要となるが、タッチシャッターを含めた本体の反応は機敏で、サクサクと撮っていける。
撮影機能で最も特徴的なのは、1回のシャッターで構図や色調、露出の異なる6枚を自動的に作り出す「クリエイティブショット」。本体側面のスイッチで通常撮影とクリエイティブショットの切り替えができる。シャッターボタンすら設けず、極力ボタンを減らしたPowerShot Nがわざわざ設けるだけに、本機能の重要度が分かる。
スマートフォン連携や詳細な使用感を含めたレビューは後日掲載する。
※初出時、「クリエイティブショット」の名称について誤記がありましたので該当箇所を訂正させて頂きました(2013/2/7 17:49追記)
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