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光学30倍を気軽に楽しむ、クラシカルスタイルデジカメ「DSC-HX50V」(1/3 ページ)

» 2013年05月23日 14時19分 公開
[佐藤眞宏,ITmedia]

 スマホに押されるコンパクトデジカメはどうするか。ややもすれば語り尽くされた感のあるテーマだが、各社は大型センサーや質感などが特徴の「本格・高級指向」、10倍ズームを超えるような「高倍率ズーム」、撮る場所を選ばない「タフネス」の3要素に着目し、スマホカメラとの差別化を図った製品を多く投入している。

 ソニーの新製品“サイバーショット”「DSC-HX50V」は30倍ズームレンズを搭載する、いわゆる高倍率ズーム機に属する製品だが、露出補正ダイヤルやアクセサリーシュー(マルチインタフェースシュー)を搭載、細部のデザインもクラシカルな雰囲気を強めており、カメラとしての所有欲をくすぐる仕上がりだ。

photo 「DSC-HX50V」

720ミリ相当の望遠端

 製品の位置づけとしては昨年春モデル「DSC-HX30V」の後継にあたり、全体的なデザインイメージは共通するが、HX30Vに比べて直線の占める割合が高くなってシャープな印象が強くなっている。カラーは写真のブラックとチタン調シルバーの2色展開だ。

 サイズは108.1(幅)×63.6(高さ)×38.3(高さ)ミリ、272グラム(撮影時重量)。30倍以上の光学ズームレンズを搭載したコンパクトデジタルカメラとしては「世界最小最軽量」(同社、発表時)となるが、手にすると厚みと重量はそれなりにあるように感じる。厚みのあるボディをホールドするためにグリップもしっかりしているのだが、握り込んだときに右手親指が「MOVIE」ボタンに触れやすいのは気になる。

photophoto 直線主体のデザインだが、四隅にスラントを多用することで引き締まった印象を与える
photophoto ワイド端(写真=左)とテレ端(写真=右)。テレ端ではレンズがかなり飛び出す

 光学20倍ズームレンズを搭載したHX30Vの後継ということもあってズームレンズの倍率は30倍と高められており、35ミリ換算の焦点距離は24〜720ミリ(F3.5-6.3)となる。さらには超解像技術を使った全画素超解像ズームを利用すれば60倍相当(1440ミリ相当)までの望遠撮影を行える。

 ズームアップしての撮影時に問題となりやすいのが手ブレだが、新製品ではジャイロセンサーの搭載と補正アルゴリズムの強化により、27〜810ミリ相当の30倍ズームを搭載する「DSC-HX200V」(2012年2月発表モデル)比で約2倍の補正効果を発揮するという。

 下の写真は手持ちでの撮影だが、テレ端でも手ブレはほぼ見られない。ただ、望遠撮影時に手ブレの影響を受けやすいことは変わりないので、脇を締める、カメラを壁などで固定するなどの配慮をしたい。なお、手ブレ補正はシャッターの半押し状態だけではなく、プレビュー状態でも有効となっているために望遠域での撮影でもグラつくことなく構図を決められる。

photophotophoto ワイド端(写真=左)、テレ端(写真=中)、超解像ズームを利用した1420ミリ相当(写真=右)。さすがに超解像を使うとディテールが甘くなる

 高速AFも本製品の特徴。カタログ値では最速0.17秒、光学30倍のテレ端でも最速0.19秒での合焦をうたう。で、気になるのが実際のAFスピード。さすがにすべてのシチュエーションにおいてこの秒数で合焦するわけではないが、テレ端でもおしなべて高速であり、実用に際して問題はないと感じる。また、フル画素でのメカシャッターによる秒間10コマ連写も魅力といえよう。

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photophoto テレ端での秒間10コマ連写より抜粋

 ちなみにワイド端での最短撮影距離(レンズ先端)は、HX30Vの約1センチから約5センチに伸びている。ただ、ズーム倍率を約5倍ぐらい(120ミリ相当ぐらい)にしても、約50センチの距離(眼前から手のひらぐらいの距離)で撮影できた。食事などの撮影ならば最短撮影距離がネックになることはないだろう。

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