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望遠に強い“ちょっといいカメラ” 「DMC-LF1」(1/5 ページ)

» 2013年07月05日 00時10分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 ハイエンドコンデジが欲しいけど、どれも性能を重視しすぎてボディは大きめだしズーム倍率は低めだし、わたしはもっと気軽に使える実用性重視のハイエンドコンデジが欲しい、というなら、真っ先にパナソニックの「DMC-LF1」(以下 LF1)をチェックである。

 普及型コンデジが低コストとズーム倍率アップのため、レンズは暗くなり、使い勝手もフルオート中心になってカメラとしての魅力が微妙になっている現在、コンデジの主力の座をLF1が奪っても不思議はないというくらい。

 そういう意味で、面白いところを狙ったなあと思うのである。何しろ軽くて普及型コンデジに近いズーム倍率、でも写りはワンランク上というカメラなのだ

photo パナソニック「DMC-LF1」。ちょっとソニーのRX-RX100っぽい感じがなきにしもあらずだが、実物は厚みが押さえられていて、かなりコンパクトでいい感じ。右が少し盛り上がっているのはEVFを内蔵しているため

LF1の3つの特徴

 LF1には特徴が3つある。1つめはセンサーサイズとボディサイズ、それにレンズの組み合わせが絶妙なこと。

 ボディは小型ハイエンド機の代表的な製品のひとつである、キヤノン「PowerShot S110」に比べて縦横高さそれぞれ1〜3ミリ程度大きいだけのサイズ。重さは約192グラムと軽く(PowerShot S110とほぼ同じ)、手にしてみるとハイエンド機とは思えない小ささである。

 それでいてレンズは28〜200ミリ相当の7.1倍ズームと、この大きさで200ミリまでいけるのだから実用上文句ない。そのレンズはこのズーム倍率でF2.0-5.9を確保。普及型コンデジより1段は明るい。PowerShot S110が24〜120ミリ相当でF2.0-5.9だから、広角側はちょっと弱いけど望遠には強いという、ほどよいスペックだ。

photo 正面から。レンズ収納状態。EVFの出っ張りはダイヤルと高さが変わらないのでまったく気にならない。レンズはLEICAのDC VARIO-SUMMICRON。F2.0-5.9。ストラップは両づり対応だ

 試用した感じでは、このレンズスペックでこのサイズなら十分便利というところ。ハイエンド機として考えるならばもう少し望遠端での明るさが欲しいところだが、LF1は「大きくて高性能なハイエンド機」ではなく、「小さな普及型ハイエンド機」を目指した感があり、それであれば納得できる。

 撮像素子は1/1.7型の高感度MOSセンサーで有効1210万画素。同社のF1.4-2.3という明るいレンズを持つハイエンドコンデジである「DMC-LX7」と同じものと思っていいだろう。ISO感度はISO80〜6400。拡張ISO感度としてISO12800まで行ける。

 2つめの特徴はEVFを内蔵したこと。このサイズでEVF内蔵はすごい。

 高齢化社会に伴って、デジカメ購入者の年齢層が上がり、老眼率も上がっている(と思われる)昨今、背面モニタは細かい文字がどんどん見えづらくなってる。対してEVFは視度補正機構を備え、また、フォーカスの調整ができるため、老眼にも優しい。

photo EVFは小さいけど有用。ただアイセンサーはもたず、手動切り替えとなる

 ただLF1のEVFは非常に小さく、クオリティは高いとはいえない。入っている液晶パネルは0.2型/20.2万画素相当で、イマドキのEVFとしてはかなり小さくて粗い。それでも、あるのとないのでは大違いなのだ。

 EVFのクオリティは重要だ、おれはファインダーをのぞいて撮りたいんだ、という人はもうちょっと大きなカメラにしてください、と。もっとも、このクラスでは富士フイルムの「FUJIFILM X20」がちゃんと使える光学ファインダーを搭載、DMC-LX7とオリンパス「STYLUS XZ-2」、ソニー「DSC-RX100 II」が外付けEVFに対応、というくらいで選択肢が少ないのも事実だけど。

 背面液晶は3.0型92万画素とEVFがついたからといって小さくなったりはせず、大きくて見やすい。

photo 背面から。対角線の構図ガイドを表示中。iAUTOモード。モニタの上にLVF切り替えと、Wi-Fiボタンがついている。左上のEVFはかなり小さめ
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