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台数限定の自分撮りデジカメ「EX-TR15」 ファーストインプレッション

» 2013年07月12日 17時08分 公開
[ITmedia]
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 カシオ計算機の“EXILIM”「EX-TR」シリーズは、2011年春の「EX-TR100」を祖とする、液晶とカメラ部を可動式とした「可変フレームデザイン」採用のコンパクトデジカメ。先日に最新モデル「EX-TR15」が発表された。

 EX-TR100の発表時にはレンズと液晶部分が回転する機構やモーションシャッターなどによる自由度の高さを前面に打ち出すことで、新たなユーザー層の開拓を目指したが、販売価格がやや高めなこともあって販売は苦戦した。だが、思わぬ層から熱い反応があった。“アジア圏の自分撮り”層だ。

 TR100は前述の通り日本国内での販売こそ苦戦したが、香港などアジア圏ではSNSへ画像をアップする際の「自分撮りツール」として人気を博し、大きなヒットを記録。その影響もあって、TR100の後継モデル「TR150」は、日本国内での発売日を前に、販売終了がアナウンスされるという異例の事態を招いた。

 そして最新機種の「TR15」はWi-Fiによるスマホ連携で自分撮り画像のSNSアップを容易にしたほか、シャッターボタンの改良で自分撮り自体の快適性も高めた。日本国内では3000台の台数限定販売となるTR15を入手したので、ファーストインプレッションをお届けする。

photo 「EX-TR15」

 TR-15はシリーズ最大の特徴である、レンズ部を軸に縦にフレームが、横に液晶モニタが回転する2軸回転構造は引き続き備えているが、TR100/150に比べるとボディデザインはやや丸みを帯びたものとなり、写真のホワイトボディにはレンズリングが金色となっていることも相まって、女性的な雰囲気が強くなっている。

photophoto ヒンジ部分にシャッターボタンが搭載されたTR15
photophoto フレームの可変は既存製品と同様

 搭載する撮像素子は1/2.3型 有効1210万画素 CMOSセンサーで、レンズは35ミリ換算21ミリ相当の単焦点レンズ。この仕様は既存から継承されている。記録メディアは小型化を狙ってから、microSDメモリーカードに変更され、着脱不可能だったバッテリーも取り外せるようになった。なお充電はmicroUSB経由で行う。

 TR100では液晶横の細長いバー、あるいは液晶へのタッチでシャッターを切る仕様となっていたが、TR15では加えてカメラユニットのヒンジ部分にシャッターボタンが設けられた。ヒンジ部分は、本体を構えたときに指がかかる部分なので、自分撮りを考えると、この部分にシャッターボタンがあるのは合理的といえる。

 各種操作は液晶タッチで行うのも変わらないが、メニュー構成も(主に女性の)自分撮りとSNSアップに適したものになっている。撮影時の画面タッチで表れるメニューには、アイコンが4つ並び上から「撮影モード」「リモート撮影」「表示切り替え」「メイクアップ」となっている。

 スマートフォン/タブレットを利用した連係機能は本製品の新機能で、スマホアプリ「EXILIM Remote」と組み合わせることでスマホからのリモート撮影を行える。スマホ連携はこれだけではなく、再生時のメニューからスマホへの画像転送のほか、スマホのWebブラウザを使ってカメラのメモリカードに保存された画像を確認することもできる。

photophoto 撮影時(写真=左)、再生時(写真=右)のメニュー。いずれも上から2番目のスマホアイコンをタップすると、撮影時にはリモート撮影、再生時にはスマホ転送が起動する
photophoto スマートフォンを使ったリモート撮影(写真=左)、スマホ転送(写真=右)

 撮影時アイコンの一番下は「メイクアップ」。「美白」もしくは「ナチュラル」の効果をそれぞれ12段階に設定できる。「ナチュラル」は既存EXILIM製品も搭載されており、肌の明るくなめらかに表現する。「美白」は新たに用意された機能で、肌をなめらかにしながら、色白に写し出す。

 あいにく執筆時に男性しか周りにおらず、効果作例の掲載は見送ることとしたが、「ナチュラル」を効かすと、肌はファンデーションを丁寧に塗ったような感じになり、くすみも目立たなくなり、健康そうな顔色となる。「美白」は文字通り、肌色がより白くなる。効果を最大の+12まで上げるとちょっと写実的とは言いにくい感じになるが、見栄えは確実によくなる。必要かどうかは人によって判断の分かれる機能ではあるが、処理速度も早く、利用時にストレスを感じることはない。

 搭載する処理エンジンが「EXILIMエンジンHS Ver.3」となったためか、起動やAF合焦、液晶パネルに触れた際の反応など、あらゆる部分が高速化されており、短時間の利用ではあったが、利用していてストレスを感じる場面はなかった。自分撮りに特化した打ち出し方をしている製品ではあるが、他にはない特徴を持ったコンパクトデジカメとしても楽しい製品だ。

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