暑い夏が終わり、いよいよ快適な秋の行楽シーズン到来だ。旅行にアウトドアスポーツにとカメラが大活躍するに違いない。身軽に「これぞ!」と思う秋のシーンを切り取っていきたいものだ。そこで今回はコンパクトなニコンの高倍率ズーム「AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VR」をD7100(レビュー)で試すことにした。
AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VRはDXフォーマット専用レンズだ。表記比1.5倍となる実焦点距離は35ミリ換算27ミリ〜210ミリ相当。通常のスナップや旅行の際にはほぼ十分な撮影カバー範囲となるのではないか。ボディにD7100を使用すれば「対DX1.3×クロップ」機能を使えるので、さらに1.3倍、望遠側へのシフトが可能となり、その際には51点のフォーカスポイントが画面全域で使えるので、とっさのシャッターチャンスや動体撮影に有利になることだろう。
さてレンズの造りはニコンらしく実にしっかりとしたものだ。ズームリングはトルクの変化も少な目で操作しやすく、適度な固さがあるので自重でレンズが出てきてしまうこともない。フォーカスリングも小さすぎず、マニュアルフォーカスが必要なシーンでもちゃんと使える仕様となっているのが嬉しい。フードは別売りになっているので、画質にこだわる人は購入して装着することを強くオススメしたい。
紅葉を期待して山を登ったがさすがにまだ早かった。手前に木々を入れて、薄曇りの富士山を撮った一枚。雲の立体感から麓の建物、樹木の葉の描写も悪くない。軽量コンパクトなので、登山での携行性も抜群なのがうれしい。
旅先ではいろいろなものを撮りたくなる。収穫されたばかりの豆類にグッと寄って画面を埋め尽くしてみた。ズーム全域で45センチまで寄れるのはこういう時に頼もしい。ボケもナチュラルに感じる。
あいにくの曇天ながら、渓谷へ向かう。吊り橋の上から滝を狙うが、こういうシーンで約7.8倍の高ズーム比が活躍する。高倍率ズームレンズながら薄暗い渓谷でも芯のあるコントラストの写真を得られた。
日没の湖畔はさすがに涼しい。太陽が稜線に隠れれば隠れるほど気温が低下していくのが体感できる。逆光だが嫌なゴーストもなく、光芒が美しく感じる。水面の描写、波の質感、雲のディテールなど高倍率ズームレンズとは思えない豊かさである。
里山の田んぼは収穫シーズン。ワイド端で干されている稲穂と周囲を写しこむ。その稲穂の米粒がしっかりと描写されているのがおわかりだろうか。その先で風にそよぐススキの雰囲気もかなりのものだと感じる。
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