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第169回 スポーツ写真とアングル、シャッターチャンスの関係今日から始めるデジカメ撮影術(3/3 ページ)

» 2013年10月10日 10時53分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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障害を飛ぶ瞬間をローアングルで

 最後は障害競技。メインアリーナに作られたいくつもの障害を順番に従って跳び越えていくのである。2回馬が障害を拒否して飛ばなかったら失格。

 正直、障害競技が一番撮りやすい。撮るべきポイント、つまり障害がいくつも用意されているので、そこを狙えばいいからだ。C-AFが苦手なカメラでも、あらかじめ障害にフォーカスを合わせて待っていれば問題なく撮れる。

 競技場全体を見渡し、どの障害を狙うのかをあらかじめ決めておくのがお勧め。全部追いかけてると結局いい瞬間を逃してしまう。障害には番号が書いてあり、その順番に飛ぶので、慣れてくればその番号を追うだけで、飛ぶ方向も分かる。

photo 左下に「8」と書いてある。この数字がポイント

 撮りやすい場所の障害を探し、その障害はどちらの方向から飛ぶかをちゃんとチェックしてスタンバイ。

 近い障害だとあまり望遠にしなくても狙えるので撮りやすい。そして、馬は上に飛ぶので、飛んだとき頭が切れないようにすること。足下に気を取られてあたまがこんな風にきれちゃってはダメです。

photo 走る馬を中心に構図を見ていると飛んだとき頭が切れちゃう。あくまでも飛ぶ瞬間をイメージして構えておくべし

 ではいろんな角度から撮ってみよう。どの角度で撮ってもカッコいいから困るんだけどね。

 まず正面から。

photo 騎手の顔が少し横を向いているのは、この障害を越えた後、右に曲がるから

 次はほぼ横から。

photo 馬の姿勢がよくわかってカッコいい

 次は斜めから

photo 少し立体感が出る

 次のポイントはどの瞬間がいいか。

 連写したものをどうぞ。

photophotophoto

 どれも甲乙つけがたいのだけど、飛ぼうとした瞬間から跳び越える瞬間までが一番狙い目だろう。もし可能なら、チルト式モニタを開いて地面ギリギリからライブビューで撮るのもいい。近い位置の障害を低い位置から撮るとかなりの迫力である。

photo 上に飛ぶシーンは低い位置から撮るほど高く見えて迫力が出る

 乗馬に限らず、どんなスポーツでも運動会でも立って目の高さで撮るのとしゃがんで低い位置から撮るのと地面ギリギリから見上げて撮るのでは雰囲気が変わるもの。撮るときの高さも注意してみるといい。

 あえて全体を狙わず、飛ぶ馬そのものにスポットを当てて望遠で撮るのもいい。そうすると飛ぶ瞬間の表情やディテールがよく見える。

photo 順光で撮れる場所を探し望遠でぐぐっと飛ぶ瞬間の馬に寄ってみた

 いずれにせよ、自分が一番カッコいいと思う姿を見つけて、それを狙うのが一番かと思う。どう撮るにしても、スポーツ写真は一番いい瞬間をとらえられるか否かの勝負、って感じがして楽しいので、機会があったらぜひ。

 取材協力:日本馬術連盟

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