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秋の空気感をとらえる切れ味――シグマ「SIGMA APO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM」交換レンズ百景

» 2013年10月18日 00時00分 公開
[三井公一,ITmedia]

 秋が深まるにつれ空気が澄んできた。本格的な冬の訪れの前に、今年の秋をシャープにカメラで記録しておきたいものだ。この空気感を確実にとらえるには、鋭いキレ味のレンズが必要となる。今回はニコン「D7100」に、評判のAPS-C用望遠ズームレンズ「SIGMA APO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM」をチョイスして秋の風景を撮影に出た。

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 このレンズは50-150mmクラスのズームとしては「大きく」そして「重たい」。それもそのはず同社のフルサイズ向け望遠ズームレンズ「APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM」と同じボディを使っている。重量こそわずかに軽くなっているが、サイズはそのままなのである。大きい分、ホールド感はよい。レンズ先端部付近を持つと振り回しやすく、モータースポーツやサッカーなどでも快適に手持ちで撮影できるはずだ。

 オートフォーカスは正確かつ高速で申し分ない。マニュアルフォーカス時にも大きめのピントリングで微調整しやすく、またズームリングも適切なトルクでスムーズにズーミングが可能となっている。ただ OS(手ブレ補正機能)の動作音が若干高めに感じた。もちろん屋外で気になるほどでない。

photo F4.5、1/2500秒、ISO100、マニュアル、WBオート

 風になびくススキの穂をチョイ絞りで撮影。つい開放で背景をぼかしたくなるが、描写優先でF4.5に。そのおかげで素晴らしくシャープな画を得ることができた。穂先の細かい解像を見て欲しい。ボケも端正で上質で好感が持てる。

photo F8、1/1250秒、ISO100、マニュアル、WB晴天

 稜線の向こうから湧き上がる雲。少し水分を多く含んでいるのか灰色が強い。青空部分から雲のハイライト、山麓の携帯電話基地局のアンテナまで確実に描ききっているのがすごい。

photo F2.8、1/800秒、ISO200、マニュアル、WB太陽光

 紅葉を探して山に分け入った。しかしまだ木々は青々としていた。東京近郊の紅葉は11月に入ってからが本番か。そこでまだ緑のモミジを絞り開放で撮影。葉脈のクッキリとした描写には舌を巻く。ボケも実に美しい。静かで正確なオートフォーカスは撮影時のストレスがない。

photo F8、1/500秒、ISO100、マニュアル、WB太陽光

 日が傾きはじめた湖畔。釣り人と鳥居のシルエットが美しい。そこを150ミリのテレ端でとらえた。鳥居の質感と森の表情、そして湖面のディテールが見事だ。繊細でシャープな画が好みのフォトグラファーにこのレンズは欠かせないだろう。

photo F4、1/60秒、ISO100、マニュアル、WB曇天

 薄暗い渓流に覆いかぶさる樹。橋の上から不安定な体勢で撮影したが、優秀な手ブレ補正機能のおかげでキレのある写真を手にすることができた。渓流の飛沫を浴び、少し湿り気を帯びた葉のリアリティさがなかなかではないだろうか。

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