最後にレンズの話も。
新しいキットレンズ、「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」が面白い。収納時の厚さが22.5mmミリと超薄型のパンケーキ電動ズームレンズなのだ。カメラ本体の電源と連動してせり上がる仕組みになっており(従来のキットレンズは手動でレンズを繰り出す必要があってで煩わしかった)使い勝手はいいし、非常に薄いので携帯性も高い。それでいてクオリティはキットレンズにしては高く、よくこのサイズでと思うほど。重量も93フラムとおそろしく軽い。
電動ズームはリングで行うが、リングは回転せず、左右に少し回すだけという感じ。面白いのは別売りの自動開閉キャップ「LC-37」。シンプルな仕掛けで、レンズの動きに応じて開閉する。
この薄さはOM-DよりPENに似合いそう。PENシリーズのキットレンズもこちらに切り替えて欲しいくらい(まあ新製品が出るときに切り替わると思うけど)。
もうひとつ「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」、つまり50ミリ相当でF1.8の標準単焦点レンズも登場した。オリンパスの単焦点レンズには、明るくて高価でちょっと大きいハイエンドなレンズ(12mm F2や75mm F1.8)と、軽くてコンパクトで価格も抑えられた買いやすいレンズ(45mm F1.8)があるが、25mm F1.8はどちらかというと後者。25センチまで寄れるのもうれしい。
パナソニック製で同一焦点距離のレンズ「LEICA D SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.」に比べるとスペック的に劣る点はあるが、コンパクトさや価格では勝っており、1本目の単焦点レンズとしていい。
総じて、E-M10はよくできたカメラで、一眼レフを買ってライブビューで撮るくらいなら、E-M10にした方が幸せになれるんじゃないかと思う。少なくとも、一眼レフよりこっちの方がコンパクトで軽く、携帯性は圧倒的に高いし、手ブレ補正の効きもいい。光学ファインダーの自然な見え具合は捨てがたいが、EVFでもこのクラスなら日常の利用には問題なく、コンデジに慣れているならば、この小ささはむしろ扱いやすく感じるはずだ。
これから一眼レフを買おうと思っているなら、E-M10も候補に入れるべきだと思う。カメラとしてのデキはいいし下位モデルという言葉から連想される安っぽさもない。これからミラーレス機を狙うのなら、あるいは買い換えを狙うのなら、EVF付にするか、EVFは不要だからとコンパクトさを重視するか悩むことになりそうで、そういう意味では次のPENシリーズがどうなるか気になるところではあります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR