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世界最大のEVFと徹底したアナログ操作が魅力――富士フイルム「FUJIFILM X-T1」(1/3 ページ)

» 2014年03月25日 10時00分 公開
[永山昌克,ITmedia]

昔ながらの一眼レフ風カメラデザイン

 富士フイルムの新しいミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T1」を使ってみた。同社独自の撮像素子「X-Trans CMOS II」センサーを継承しつつ、新開発の電子ビューファインダーを搭載した本格モデルである。

photo 富士フイルム「FUJIFILM X-T1」(レンズキット)

 実機を手にしてまず目を引くのは、フィルムカメラを思わせるクラシカルなデザインだ。ペンタプリズム風の台形をボディ天面中央にあしらった上で、その左右にシャッタースピードダイヤルや露出補正ダイヤル、ISO感度ダイヤル、測光ダイヤル、ドライブダイヤルなどを配置。昔ながらの一眼レフスタイルのデザインであり、1970年代に発売された同社の一眼レフ「フジカST」シリーズを連想する人もいるだろう。

 外装には高品位なマグネシウムダイキャストを採用する。ボディカラーは黒一色。各種のダイヤルはアルミの削り出しとなり、前面から側面、背面にかけてはシボ革風の素材を張り付けて、手触りを高めている。グリップ部分は大きく膨らんでいて、ホールド感は良好。筆者の大きめの手にもしっくりとなじむ。オプションのハンドグリップや縦位置バッテリーグリップを装着することも可能だ。

photo レンズマウントは、富士フイルム「Xマウント」。充実が著しいXマウントレンズが使用できる
photo ファインダーの下部にはアイセンサーを装備し、液晶モニターとのスムーズな自動切り替えができる

 シャッターボタンの回りにある電源レバーを回すと約0.5秒で素早く起動し(ハイパフォーマンスモード時)、液晶モニターが表示される。液晶には、3型/約104万画素のチルト可動式TFTを搭載。表示の精細感は高く、発色はクリアだ。屋外での視認性はまずまずといったところ。カメラに顔を近付けるとアイセンサーが反応し、液晶表示から電子ビューファインダー表示へと自動的に切り替わる。

photo レンズの鏡胴部には絞りリングを装備。キットレンズなどの開放F値が変化するズームレンズの場合、リング上に絞り値は記されていない
photo 約236万ドットの有機ELファインダーを搭載。ファインダー倍率は0.77倍となり、デジカメでの世界最大の倍率をうたっている

 感心したのは、電子ビューファインダーの見やすさだ。世界最大をうたう倍率0.77倍の有機ELファインダーであり、その大きな表示には、のぞいた瞬間にハッとするような驚きを感じた。大きさに加え、表示の精細感や追従性も優秀だ。さらにユニークなのは、マニュアルフォーカスの際に、ファインダーを2画面に分けて表示できること。大きな画面に全体を表示しつつ、小さな画面には部分拡大などを表示できる。

photo EVFの表示モード「フル」の状態
photophoto EVF表示モード「ノーマル」(写真=左)、「デュアル(2画面)」(写真=右)の状態
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