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「FUJIFILM X100S」を50ミリ相当にする純正テレコンバージョンレンズ「TCL-X100」を試す

» 2014年06月10日 15時53分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 富士フイルム「FUJIFILM X100S」(およびX100)に対応する純正の1.4倍 テレコンバージョンレンズ「TCL-X100」を試用した。X100Sのレンズは35ミリ換算で35ミリ相当だが、先に発売されているワイドコンバージョンレンズ「WCL-X100」を装着することで28ミリ相当、本テレコンバージョンレンズを装着することで50ミリ相当にすることができる。

 鏡胴は本体とマッチする金属の仕上げで「WCL-X100」と同様、フロントリングを取り外し、ねじ込むことで装着できる。レンズ径は67ミリ径と元の径よりだいぶ大きくなるので、未装着の状態で利用していたレンズフードやプロテクトフィルターの流用はできない(WCL-X100では一部流用できた)。

 コンバージョンレンズのサイズは70(最大径)×46.5(全長)ミリ/180グラムと、ちょっとした単焦点レンズ並み。X100S装着時にはフロントヘビーになるが、撮影時に左手で鏡胴を支えることができるので、むしろ未装着の状態よりホールド感を好ましく感じる人がいるかもしれない。

photo ワイドコンバージョンレンズ「WCL-X100」を装着したFUJIFIM X100S
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 既にワイコン導入時に対応ファームウェアが投入されているが、これはテレコンでも同様。最新バージョンであるファームウェア「1.2」を適用すれば、撮影メニューに「コンバージョンレンズ」の項目が用意され、ここから「ワイド/テレ/OFF」を選択できる。

 本製品を装着している場合、「テレ」を選択すると各種収差を自動補正するほか、OVFのブライトフレームも50ミリ相当の範囲に切り替わる。メニュー項目の「コンバージョンレンズ」はファンクションメニューに割り当てておくと、コンバージョンレンズを付け外す際、素早く設定を変えられて便利だ。

 描写については期待通り、コンバージョンレンズを付けているとは思えない光学性能の高さを味わえる。開放F値もF2と変わらず、AF速度にも変わりはない。X100S/X100の35ミリ相当/F2のレンズは絞り開放でふわっとした描写になるレンズだが、この特徴もそのまま受け継いでいる。まさに焦点距離だけが伸びた感覚で撮影を楽しめる。

photo F4まで絞って路地裏の看板。もう1段絞っても良かったか F4 1/60秒 ISO400
photo 絞り開放で近接撮影をするとかなりソフトな描写になるのも未装着状態と同じ F2 1/170 ISO200
photo 非常に自然な発色も変わらず。街角のスナップに50ミリ相当は使い勝手がいい F4 1/60秒 ISO320
photo F5.6まで絞って昭和なビルのらせん階段 F5.6 1/105秒 ISO200

 同じく50ミリ相当となる「FUJIFILM X-T1」と「XF35mm F1.4」の組み合わせと、同条件で撮り比べたのが下の4枚。同じメーカーの同シリーズ製品、同じセンサーサイズ、同じ焦点距離、同じ絞り値と条件の類似が多くても、描写に差が出るというのが面白い。

photophoto 絞り値をF2にそろえてマクロ域での描写。左がX100S+TCL-W100、右がX-T1+XF35mm F1.4R。 マクロ域での開放でかなりソフトになるX100Sの傾向はテレコンバージョンレンズを付けても変わらない
photophoto 今度は絞り値をF4にそろえて、同じくマクロ域での描写。左がX100S+TCL-W100、右がX-T1+XF35mm F1.4R 絞り開放とはだいぶ異なり、両者の描写が近いものになる
photo F8まで絞って吹き抜けの鉄骨を。コンバージョンレンズを付けているとは思えない絵を見せてくれる F8 1/600秒 ISO200

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