パナソニックの「LUMIX DMC-FZ1000」を見たとき、正直驚いた。かなり驚いた。え、こんなすごいスペックありなん? って感じ。
フィルムの時代は「ブリッジカメラ」(コンパクトと一眼レフの間をつなぐって意味)、デジタルの時代になって一時期「ネオ一眼」(富士フイルムが同社の一眼レフっぽいデザインのごついハイエンド機をそう呼んだ)と呼ばれたジャンル。電子ビューファインダー(EVF)を備え、しっかりしたグリップの一眼レフっぽいデザインを持つ「高倍率ズームデジカメ」の総称だ。これがまた微妙な存在で、確かに高倍率だけどその分ゴツかったりデカかったり超望遠はいいけどそれ以外がいまひとつでそそられなかったりと、なかなかベストなバランスのカメラがなかったのだ。
そんなところに、FZ1000が登場したのである。
見た目は従来の高倍率ズームデジカメとそう変わらないが、中味が段違い。同社のFZシリーズの中でも比べものにならないくらいの高性能・高画質なのである。
これがすごいのは大まかにいって2点。1つ目はレンズと撮像素子。もう1つは4K動画。
正直、はじめて欲しいと思った高倍率ズーム機かもしれない。
FZ1000の一番の良さはセンサーとレンズの組み合わせにある。センサーは1型で2000万画素。この数字はソニーの人気シリーズRX100系やRX10と同じ。つまり、コンデジでは最高クラスの画質なのだ。
それでいてレンズは35ミリ換算で25〜400ミリ相当。広角から望遠まで行けて、F2.8〜F4.0である。単純にズーム倍率を上げて望遠側に伸ばすとどうしても望遠端が暗くなる。一般的に高倍率ズームレンズは望遠端がF5.6〜F6.3くらい。FZ1000はそれをF4に維持している。それが素晴らしい。
世の中にはもっと安くて、もっと高倍率な(なんと60倍ズームなんてのも)ハイズームコンデジもあるけれども、1/2.3型のセンサーが多い。画質面では1型で400ミリ相当の方がずっと上だ。超解像技術を使ったiAズームで800ミリ相当まで電子的に伸ばしたとしても、FZ1000の方が上である。
同社のLUMIX DMC-FZ200はズーム全域でF2.8を実現しているけど、センサーサイズが方や1/2.3型、こちらは1型でまったく違うのでFZ1000の圧勝だ。
撮影最短距離は400ミリ相当で1メートルだけど、広角から標準域ではそれなりに寄れる。広角端だとレンズ前3センチまで。使っていて寄れなくて困る感じはなかった。
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